ノルマに大幅に届かなかった人達にお盆に乗せた紙コップのドリンクをわたしながらステージに上がるように指示を出していると、急に汗だくの腕に肩を組まれた。

「あ゛ーきっちー」

「君か…」

「オレにもドリンク」

「あっちにあるよ」

「ドリンク貰えますか?」

「どうぞ、お疲れ様です」

さっきから素晴らしい速さで筋トレBをこなしていた緑髪にドリンクを渡すと、隣で青髪が不満そうな声を漏らした。てか、離れろ。

「なんだよその態度の差」

「知らない、離れてください」

「オレにもドリンク」

「勝手にどうぞ」

「オレにもドリンク!!!」

「あーもう、うるさいな!ほら!」

耳元で大きな声を出されて、仕方なくドリンクを渡す。自分で取ればいいのに、ガキかコイツは。…ドリンクを渡さない私もガキだけど。

「オレにもくれる?」

「俺、っも…」

「どうぞ。…え、君、大丈夫!?」

赤髪と一緒に来た紫髪が息も切れ切れ、大きな体を半分に折って手だけを必死に伸ばしてきていたので焦った。とりあえずドリンクを渡して持っていたお盆であおいであげると、彼は涼しそうに顔を上げて風を受けている。ちょっと可愛い。

「次続けられそう?」

「…当たり前だし」

「無理はしないようにね」

中身のなくなった紙コップを回収しながら紫髪にそう伝えると、小さく頷いてくれた。

「やっぱ態度違うくね?」

「第一印象が悪いからでしょ」

ほら、いいから並べ!わやわやと集まっていたカラフルな頭を散らしてそれぞれの場所へ行かせる。同時に休憩終了のブザーが鳴る。どれくらい最後まで残るかな?



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