2セット目を半分過ぎた頃には、既に人数が半分になっていた。思ったより根性ないなー。

「沢井ー」

「どうかしたの、川田?」

「中村に1年の様子見てきてくれって頼まれた」

「自分で見に来ればいいのにね」

「だよなー」

練習を続けている1年勢と隔離されたかのような緩やかな空間ではあるが、私も川田もしっかり1年生を見たまま話し続けた。

「今な、」

「うん?」

「準レギュと2軍が試合してる」

「………っえ!?」

思わず瞠目して川田を見れば、彼は何の反応も見せずにコートを駆け回っている1年を指差した。あ、いけない。慌てて視線を戻しながらも、私の気持ちは1軍の体育館に向かっていた。

「いーなぁ、いーなぁ。私も見たかったなぁ」

「1年は疲れ果てた状態でゲームすんのに、お前らが普通の練習だけじゃー不平等だよなぁ?っつって主将が始めた」

「それ去年の先輩方はどーなんだよって話だよね」

「……だよな」

あまりにも一方的だったらしい(私はまだマネージャー決定してなかったから観れなかった)試合を思い出したのか、川田の声が若干強張ったのが感じられた。

「…あのカラフルな奴等、すげぇな」

「群を抜いてるよね。確実にあの人達は試合することになると思うよー」

2セット目もラスト1分を切る。隣にいた川田が動いた。どうやら1軍の体育館に戻るらしい。

「じゃ、また後でな」

「中村に死ぬなよって伝えといて」

「手遅れだろうが、わかった」

クスリ、笑った川田は「沢井も頑張れよ」と私の背中を軽く叩いて戻っていった。
あと10秒。

ブザーが再び鳴り響き、2セット目が終わった。



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