「っしゃあ!授業しゅーりょー、バスケだー!!」
毎度お馴染みの雄叫びに、慣れたものでクラスメイト達は何事もなかったかのようにスルー。私は勿論、苦笑い。
「コテンパンにしてやっぜ新入生諸君!!!」
「はいはい。…そう言えばさっき、暗い顔してたけどどうかしたの?」
「え?あー…あれはな、」
珍しく歯切れの悪い中村は言葉を濁し、次いで
「そいつらに負けたらどーしよ!?」
涙ながらにそう訴えかけてきた。うん、心配して損した。確かに帝光中の伝統として、新入生で最初の練習に生き残れた人は2軍レギュラーと試合するってのがあるけど、まだチームワークも何もない新入生に2軍とは言え帝光中で逃げず頑張ってきた人達が負けるはずがない。と思う。中村は相変わらず変なところでネガティブだ。
「部活行こーぜ、沢井………どーした、それ?」
「あ、気にしないで。ただのアホだから」
いつも通り部活に迎えに来た、同じく2年の川田。彼も2軍の準レギュラーで、なかなかの素材だ。
「沢井ひっでぇ!オレとオマエの仲だろ!?」
「残念だったな、中村。沢井はお前より俺が好みだ」
「マジで!?」
「あーうんまじまじ」
隣の席で育んできた愛はどこに…とかなんとか言ってる中村は川田に引きずらせて。
さぁ、今日も部活だ!
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川田 健二(カワタ ケンジ)
2年、2軍準レギュラー
183cm、C(センター)
面取り、スクリーンが上手
沢井曰く、努力の人である。
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