授業中にも関わらず昨日の新入部員のデータをボーッと眺めていると、隣の席の中村が丸めた紙を投げてきた。中村はバスケ部員の中でも仲の良い部類に入る。実力もあって2年で2軍のレギュラー入りしている。くしゃくしゃに丸められた紙を破れないように丁寧に開くと、男子にしては丸めの可愛らしい文字で、

"昨日だったんだろ?どーだったの?"

と書いてあり、思わず笑ってしまった。さっき話した時にはそんなこと気にしているようには感じられなかったのに。あと1つ授業が終わればすぐわかることを最後の最後で我慢できないところが彼らしい。くしゃくしゃの紙の空いているスペースに、私もペンを走らせた。

"さすが帝光目指してくるだけあるなーって感じで、みんなすごかったよ。その中でも4人、格別なのがいたから、部活楽しみにしといて"

隣でそれを読んだ中村が小さな子供みたいに瞳を輝かせたので、私はまた笑ってしまう。けれど中村はそのあと一瞬固まって暗い表情になってしまった。…どうして?再び今度は自分のルーズリーフにペンを走らせようとしたが、どうせ授業ももう終わるからいいかと考え直してやめた。

(にしても、昨日の青髪は特に凄かったな…)

これからどんな方向にも成長できるし、予想がつかない。自主練を見ていても、やっぱりアイツがチームの中でバスケットをするのを観るのが楽しみでしょうがなかった。まぁ、生意気なのはさておき、ね。
…あ、ノートとってないや。



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中村 智(ナカムラ サトシ)
2年、F(フォワード)、169cm
パスカットからの速攻が好き
遊木はG(ガード)でも伸びると考えている。




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