「第2Q終了です。これより10分のインターバルに入ります」
期待をしてみたものの、特に火神に目立った動きはなく。でも、なんとなく感じていた。…後半荒れるな、と。
「結局ズルズル離されて前半終了かよー」
「てか終わりだろ。もう帰ろーぜー」
ぽつりぽつりと聞こえだした心外な声に、きーちゃんがあからさまにむっとした表情を見せた。
「っも〜…。根性見せろよ誠凛!!」
「見せてるよバカ。あんだけ力の差見せつけられて、まだギリギリでもテンションつないでんだ。むしろ褒めるぜ」
笠松さんの言葉に苦笑が漏れる。そう、その通りなんだけど。でも。
「っえ!?遊木さんも帰るんスか!?」
「きーちゃん、女の子に野暮なこと聞いちゃダメだよ」
可愛くないのは重々承知の上でウインクまで飛ばし、通路へ向かう。それ以上何も言わなかったところを見ると、多分トイレか何かだと思ってくれたんだろう。ついて来なかった事に少しほっとしながらも探すのは誠凛の選手控え室だ。
「その前におは朝占いの結果は、と」
お気に入りからすぐにサイトへ飛んで今日の運勢を確認。
“みずがめ座のアナタは今日はおとなしく過ごしましょう。”
…この時点で黒ちゃんはちょっとダメかな。それにみーくんは予想通り一位だし。あの子大事な日は上位三位に必ず入ってるんだよね、何故か。
“かに座のアナタは絶好調!!ラッキーアイテム狸の信楽焼を持てば向かうところ敵なし!!…ただし、獅子座だけは相性最悪!!出会ったら要注意しましょう!!”
「…獅子座、ねぇ」
誠凛に獅子座の奴がいるなら、少しは戦況変わるかもしんないなー。
普通なら相当馬鹿らしい事を考えていると自分で思うけど、事みーくんに関しては仕方ない。あのおは朝教徒の力はハンパないからね。
さてさて、誠凛の選手控え室は…。
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