黒ちゃんときーちゃんの練習試合当日。
当然ながらあたしは………寝坊した。昔から練習試合って響き苦手なんだよね。なんか布団から出たくなくなるし。
ま、このまま二度寝と決め込む訳にもいかないし。携帯で音楽を流しつつ、やっとあたしは制服に手をかけた。



―――――



「それでは試合再開します!」

遅れた遅れたとは思いながらも急ぐつもりなんて全然なく観覧席に入れば、コートが必要以上にざわめいていた。それに先程の審判の言葉もあり、何かあったとゆーのは一目瞭然。

「「「キャァァ!黄瀬クーン!!」」」

こっち向いてー!手を振ってー!等々。黄色い歓声がコートの一角から沸き上がる。うわーきーちゃんもきーちゃんで手振ってるし。日向にどつかれるぞ、学校違うけど。

「テメーもいつまでも手とか振ってんじゃねーよ!!」

「いてっ!スイマッセーンっっ!!」

黄色い声をつんざく声に驚けば、そこにいたのは海常の4番。そして蹴りを入れられているきーちゃん。うわ、連続肩パンとか超痛そう。日向が出る幕はなかったか。

「海常ボール!」

なんだかんだやっているうちに試合は本格的に再開。海常は綺麗なパスワークでまるでディフェンスなんて存在していないかのように一瞬でボールがきーちゃんにわたった。

「こっちもアイサツさせてもらうっスよ」

大きな音を立て、きーちゃんのダンクが決まる。力技のはずなのに軽やかな華麗さを見せるそれに、体育館内が大きな歓声に包まれる。けれどそれでも気に食わないのか海常の4番はまたきーちゃんに蹴りを入れていた。ダンク決めたのにね。
未だゴールが軋むほどの威力を持つきーちゃんのダンクにびびったのか唖然としている火神に4番から解放されたらしいきーちゃんが話しかける。

「女の子にはあんまっスけど…バスケでお返し忘れたことはないんスわ」

その発言に触発されたらしい火神の額に青筋が浮かんだ。

「上等だ!!黒子ォ、よこせ!!!」

ここからはきっとラン&ガンの超ハイペースで攻撃の応酬が始まるんだろう。ディフェンスを全力でやるのは当たり前だけど、それ以上にお互いのオフェンス力が強すぎる。…まぁ、均衡が崩れるならそれはやっぱり誠凛からでしょうね。きーちゃんにやり返されるってわかってるのに意固地になって頑張ればジリ貧で負けってとこかしら。

「誠凛T.Oです!」

オフィシャルの声に思考から戻ってコートを見る。この感じだと、第2Qあたりまで面白い動きもなさそうだし。
…うん、外の空気でも吸ってくるとしよう。


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