「あれ、沢井?」

「日向!練習終わったの?」

「10分前くらいにな。なんかカントクに用事か?」

校門で日向達とばったり遭遇して挨拶もなしに本題を切り出す。帰っているメンバーから、今日は居残り練をしていないことが伺えた。

「カントクじゃないんだけど、ちょっとね。体育館まだ電気ついてるけど、誰かいるの?」

「いるなら黒子じゃないですか?」

「そっか…ありがと、降旗くん。みんな練習お疲れさま、またね」

ヒラヒラと手を振りながら小走りで明かりのついている体育館に向かう。背後のどよめく気配は申し訳ないがスルーさせていただいた。なんでどよめいたのかは気になるけど、それより早くアイツを見つけたいのだ。息を切らさない程度で走って体育館の入り口に辿り着くと、扉が開いていたので中からの声が漏れてきた。

「けど期待もしてる。キミは面白い」

アイツだ。



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