それからと言うもの、試合は青ちゃんの独壇場だった。誰にも止められずに桐皇の点数ばかりが加算されていく。

「いやーホント、誠凛に同情するっス。オレだっていまだにあーなった青峰っちをどう止めればいいかわかんないっスからね」

「…バスケットに限らずどんなスポーツでも、その歴史の中で洗練されてきた基本の動きがあり、理想の型があるのだよ」

「でもその反面、無駄がなくなったからこそ動きの選択肢は限られるから予測も出来てしまう」

そこにオフェンス、ディフェンスの駆け引きが生まれる訳なんだけど。

「青峰は物心つく前からバスケットボールに触れ、大人に混じりストリートでずっとプレイしてきた」

「今となっては体の一部と化したボールハンドリングに天性のスピード。それが青ちゃんの自由奔放なバスケットスタイルに繋がってるの」

「…オレと真逆のスタイルっスね」

「むしろ日本でバスケをしている中に青峰と同じスタイルの人間などいないに等しいのだよ」

ドリブルもシュートも、その動きひとつ読めない。無限の選択肢故にディフェンス不可能のスコアラー。それが青ちゃん。



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