新たな介入者によりやっと落ち着くのかと馨がほっとしたのも束の間の出来事。やはり光は今までの謙也の行動が相当許せなかったらしく、未だ馨の背中に隠れている謙也を睨み付けている。謙也は怯え、白石と馨は呆れてため息。
光、どんだけシスコンなんですか。←





火曜日、いつものお時間です。





「馨、えぇ子やからそれこっちに寄越しぃ」

「光が何もせぇへんならえぇけど」

「なぁんもする訳ないやろ、ただちーとばかし話し合いするだけや。な、謙也さん」

「嘘やろ、俺騙されんで!!!」

その行為が光を煽っていることに気付け謙也。光がわなわなと震え、謙也がびくびくと震え、馨はそろそろこの状況が面倒臭くなってきたらしく間にたっているとは言ったものの既に投げやり状態である。

「ほんまえぇ加減にしぃや財前。馨ちゃんが困っとるやろ」

「今は謙也さんしばくことが最優先事項っすわ」

「ほんなら、俺が馨ちゃん連れてってもえぇな?」

「はぁ!!?」

「ぇ、ちょっとあの、」

謙也とにらみ合い冷戦状態であった財前が動く。勢いよく白石を振り向くまではよかったが、いかんせん動くのが遅かったらしい。白石は既に馨の手を取り引っ張ると放送室を出ていた。謙也は一瞬のうちに引き剥がされたらしく放送室の中に取り残されている。
光がどちらを優先するかなど、わかりきっていた。

「謙也さん…覚悟はえぇっすね」

「タンマタンマタンマ、話せばわかるっ!!な、俺等ダブルスやろ!!?財前!?!?」

「聞こえんなぁ」

謙也は流れ星になったよ☆

「………よかったんですか?」

「謙也はスピードスターやからな、流れ星になれて本望やろ」

(あんまり上手くない…)

今頃ひどい扱いを受けているのであろう謙也を思うと罪悪感を感じないこともないが、今さら戻ったところで何にもならない。まず戻るくらいなら先程白石の手を振りほどくことだって可能だったのだ。

「ちゅうか、なんであたしの名前知ってますのん?」

「財前が毎日俺の馨がー馨がーて、のろけてくるからなぁ。部員はみんな知っとるで」

馨が恥ずかしいと感じたのは間違いではないはずだ。自分の知らないうちに自分の名前が勝手に出回っていたとは。

「ちゅうか、馨ちゃんも物好きやなぁ」

「物好き、て言いますと?」

「好き好んで自分の双子の愚痴聞こうとか思わんやろ、普通」

軽く笑いながら言われ、馨は押し黙る。自分の双子の兄のことを知りたいと思うのは普通ではないのだろうか。光は自分のことを多く語る人間ではない。馨も深くは踏み込まない。それにより仲の良い関係は保てているが、自分の知らない光を知っている人間がいて、それをどんな風にだとしても語ってくれる人がいると言うのなら聞きたい、聞いてみたい。馨はそう考えただけなのだが。

「あたしの知らない光のこと、知りたい思うただけやん………です」

思ったことを口にし、白石をまっすぐ見つめる。敬語を忘れていたのはご愛嬌としておこう。

「馨ちゃんの知らん財前とかおるん?」

「光はテニスしてるっちゅう話、したがらんのですよ」

「………それは、まぁ」

馨は憂鬱そうに答えたが、その答えは簡単にわかる。テニス部の面々に馨のことを知られたくなく、更には関わって欲しくもないのだろう、と。ただでさえあのメンバーだ。光の双子の妹だと知れば放ってはおかないはず。…自分で自慢している時点で何か違う気もするが。

「嫌われとるんかな、ちゅうのも考えたけど、どう考えても光はシスコンでしょう?」

「…そこはどどんと、大きく出てみるしかあらへんな」

「へ?」

間抜けた顔をした馨に、白石はにぃっこりと笑ってみせた。

「今日の練習、見に来てえぇで。部長の俺が許したる」

「あ、先輩部長やったんですか」

「……………おん、そやで」

勿論馨は白石のその提案を甘受する訳で。





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φ(゜゜)ノ゜
なんか意味わからんくなってきた。




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