よん





突如放送室に乱入してきたのは、馨の双子の兄である財前光。それに怯える謙也、庇う馨。ぶっちゃけカオスな状況である。そして彼等はいつ気付くのだろうか。
まだ放送ランプが灯っているということに。





火曜日、いつものお時間です。





彼はワナワナと震えていた。自分の可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い…もう可愛いと言う言葉では表現出来ない程に愛らしい妹に、毎週自分の愚痴…ぶっちゃけてしまえば悪口を聞かせていたのかと考えるだけで謙也を殺してしまいそうな勢いだ。それは謙也が馨の背中に隠れているということで実行出来そうにないが。

「光、落ち着きぃや。あたしがお願いして謙也さんに話聞かせてもらいよったんや」

「馨、そんなヘタレの為に嘘つかんでえぇんやで。ちゅうか、それこっちに渡しぃ」

「それ、て。それって!!物扱い酷ない!?俺先輩やで!?」

「うっさいわ自分!黙っとき」

「馨ちゃん財前がぁぁぁ」

勿論ヘタレな謙也は光に目をかっぴらかれた程度で馨に泣きつく。いわゆる、後ろから抱き着いている状態。馨は別にそんなことで動じるような人間ではないのだが、光は違った。


ピシャァァァン


まるで雷の鳴るような効果音が鳴り響き、急に光の周りだけ暗雲が漂う。何故か少しうつむいた彼の目元は影によってまったく見えなかった。…どこからともなく渡る世間は○ばかりのテーマソングが流れてきているような気がする。

「近すぎやねん謙也ァァァ!!!」

「おま、呼び捨ててオイ!!?」

「光!謙也さんは年上なんやからちゃんと敬わなあかんやろ!?」

「馨ちゃん大好きやぁぁぁ」

さらにぎゅうと背後から抱き締められる形に。やはり馨は動じる気配はなく、しかしこれまた予想通りに光は違った。


ピシャァァァン(二回目)


次は渡る世間等と言う可愛らしいものではなかった。次なるBGMは…必○仕事人である。謙也はどうやら殺されそうなことを悟ったらしくさらに震え上がり、しかしどうしてこんなにも光が激怒しているのかを未だ理解していないのかはたまた恐怖心が勝ってか、強く強く馨にしがみつく。

(光が恐ろしゅうてしがみつくとか、謙也さんほんま可愛らしいわぁ…)

馨がこんなことを考えている等両人は知らない。光あたりはこんなことを知れば謙也を本気で暗殺しに行きそうだ。

「馨にベッタベッタベッタベッタしおってほんまこのムッツリが。覚悟でけとるんやろなぁ…」

「ひぃぃぃっ、そ、そない怒ることないやないか!馨ちゃんに自分の愚痴言われたくないんやったら、自分の俺に対する態度見直しぃや!!」

「はっ、俺に悪いトコある思うてん?」

「全部」

「ぇ、ちょ、謙也さん…」

さすがに言ってはいけないことくらいわかる馨ちゃん。変なところで度胸があるんやなぁなんて感心している場合ではない。まさかまさかの三度目ピシャァァァンが来そうな時だった。…否。


ピシャァァァン(三度目)


来て、そして火○スの曲が流れて来た時、だった。四人目の介入者が現れる。それはまさに、天の助けであると言えただろう。

「自分等、何やりよんねん」

「白石!」

「部長…止めんといてくれます?」

謙也から助けを求める視線を向けられ、光からはドスのきいた声を頂いた。しかしそんなことはまったく気にならないかのように、彼はただ笑んで馨に声をかける。

「悪いんやけど、スイッチ切ってくれへん?馨ちゃん」

「………切ってなかったんすか謙也さん」

「や、やって財前来たんやもん…」

やもん、て。そろそろ高校生にもなろう男がやもん、て。思いながらも馨は光と謙也の間をキープしながら放送スイッチを切った。何故一番近かった謙也が切らなかったかと言えば、ビビって動けなかったからである。情けない。

(…ん?ちゅーかなんで初対面なんにこの人あたしの名前知ってん?)

疑問の瞳を向けても理解されなかったのか白石はただ馨に笑んでいるだけだった。





―――――

30分で書いたから微妙
白石登場で一旦切りま。




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