じゅご
午前はずっと機嫌の悪かった光も、お昼が近付けば少しずつではあるが機嫌が回復。勿論馨パワーであるのだが彼女が来ることを光以外は知らない。いや、白石あたりはなんとなく直感でわかっていそうだが。とりあえず謙也はそんな光を気味悪がって光にしばかれていた。
火曜日、いつものお時間です。
「あら、馨ちゃんやないの〜」
「こんにちは、小春さん。もうお休み入りました?」
「ちょうど今入ったとこやで。タイミングえぇのね〜馨ちゃん!謙也呼ぶん?それとも光?」
モテる女も大変やわ〜。等と惚れ惚れしたような表情で呟く小春に、馨は苦笑で返す。光は双子だからそんな対象ではないし、謙也はこちらからの一方通行だと信じきっている。さらに何故、いつ謙也を好きになったかというのがはっきりしていない為なんとなく引け目を感じているのだ。
「光呼んでもらえます?」
「わかったわ〜」
乗り気でテニスコートへ入って行く小春を苦笑で見送りながら馨も入り口まで近付く。そうすれば珍しく練習に参加し、さらに馨を目敏く見つけたらしい千歳がスピードスター顔負けの速さでさりげなく馨に近寄った。
「馨?」
「あ、ちーさん。部活出てるんや、珍しいですね」
「馨に会えるなら毎日来るばい」
「あたしは毎日は来ません」
小さく笑い合い、和やかな雰囲気が流れた時だった。先ほどの千歳をしのぐ速さで光が現れた。スピードスターの立つ瀬はないようだ。
「馨!!…と千歳さんやないっすか」
「お弁当これやから」
「見かけたら話しかけたくなったとたい」
「…午後、練習見て行くん?」
手渡されたお弁当により千歳と話していたことは水に流そうということらしく、光が改まってそう聞けば馨はにこりと笑った。
「とりあえずお弁当の空持って帰らなあかんからお昼が終わるまではおるで。その後は…気分次第やなぁ」
「おん、わかったで。ほなとりあえず弁当一緒に食おうや」
「あたし自分の分持って来てへんよ?」
「ほんまははよ帰らしたいんやけど、部長と謙也さんが連れて来いってうざいねん」
先輩に向かってうざいって。最近の色々な件で馨の前でも段々素が見えて来た光である。まぁそんな変化も馨にとっては好ましいことなのであろう。千歳は完全アウェーな状態で放置されていた。
「…ちょっとだけやからね」
「わかったわかった、行くで」
「ほなちーさん、また会いましょうね!」
「………もっと話したかったっちゃけど」
光に邪魔されてはそれも叶わない。独り寂しく笑った。
―――――
実質的な千歳との絡みを入れてみた。
撃 沈 ☆
やはり光のターンが続くがここでターンエンド。
次は謙也のターン!!黙っ
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