じゅいち





突然来た空メに首を傾げながらもどうかしたのかと返事を返してみた馨。至って普通の反応と言えるだろう。しかし彼にしてみればその行動は神様仏様に親いものがあったらしい。白石はほれ見ぃ俺のおかげや、と椅子からこけた状態のままかっこつけた。
何度でも言おう。光はこの一連のことを知らない。





火曜日、いつものお時間です。
side.謙也





神様やと思うた。

『どないしました??』

照れ笑いの絵文字が天使に見えた。白石は相変わらずこけたまんまやけどちょっとだけなら感謝してもえぇんかもしれん。

「しらいしぃぃ!へ、返信来たで!空メに返信やで!?」

「いや普通やろ。謙也も俺から空メ来たらどないしたんやろっちゅうて返信するやろ?」

「怖い。俺なんややらかしてしもたんやないかってほんまに悩むわ」

「……ほぅ」

やばい。口を塞いでも出てしまった言葉は戻せる訳もなく、やばい、やばいでほんま。黒石降臨や…っ!!

「謙也くんそないこと言うてまうんやなぁ。蔵ちゃん傷付いたでー。どないしてやろっかなー」

「いやまじすいませんでした」

「あれ?なんでやろ、いつの間にか財前にメール作成してもうたわ。んー、内容は…謙也が馨ちゃんのこと狙っとるらしいで、やって」

「しらいしぃぃぃぃ!!!ほんま悪かった、謝る!謝るから財前には言わんといてぇぇぇ!!」

右手を必死に伸ばすも白石は鬼畜な笑みを浮かべて自分の携帯を天高く上げた。いやほんまやめて、俺馨ちゃんにメール返信もせなあかんねん財前にばれたりなんかしたら、もう………死ぬ。

「まぁ俺優しいから送信はせぇへんけど」

「優しいなら最初からすなやっ!!」

「………ん?」

「すんませんでした」

なんで俺こない謝らんとあかんのやろ、なんやもう色々わからへん。とりあえず馨ちゃんに返信したいねん俺は。

「新規保存で勘弁したったる。…で、馨ちゃんに返信したん?」

「したいんやけど、何てメールしたらえぇんかわかりません」

「………ほな、とりあえず謝りぃ。空メ堪忍なーっちゅうて」

それ絶対大丈夫です何か用事やったんですか?とか聞かれるんやで。ほんでやっぱ返信に困るねん。けど白石にそないこと言いきらんかった。やっていつ財前に言うかわからんのやもん!

『空メ堪忍なー。』

「ついでに今何しよるん?くらい聞くんが男やで」

「…おん」

俺は男になってみせたる。

『空メ堪忍なー。今何しよるん?』

送信!俺はお前を信じるで、白石!携帯握りしめて少ししたらすぐにメールが返ってきた。

『1限だるいんでさぼっとりまーす』

「さすが財前の双子や」

「そやな。けど財前よりは真面目やと思うで」

「案外馨ちゃんのが不良やったりして」

笑って色んな推測を口にしながら返信。ここまでくれば俺でも返信内容考えきるで。

『馨ちゃん不良やなー。1人なん?おにーさんが行ったろか??』

送信。
…ようやった俺。これで1人なんです来てくれるんですか?とか返信来たらそっこー場所聞いてさぼり行ったる。白石に適当に理由つけてもらっとけばどうにかなるはずや。

「立派やで、謙也。もう俺からは何もアドバイスすることはない」

「白石…今まで俺の背中押してくれておおきに。これからもよろしゅうな!」

「当たり前や、俺ら親友やろ」

しらいしぃぃぃ!!!感動に浸りよったらバイブがなって馨ちゃんからの返信。今までフィーバーフィーバー絶好調やった俺。やけど。

『残念でしたー1人やありません。ちーさんと一緒っすわ。
…あ、ちーさんもテニス部言うてはりましたから、謙也さんも知ってるかもしれませんね』

ちーさん。
聞いて、すぐにわかった。千歳や。絶対千歳や。なんや馨ちゃんもしかして千歳とそういう関係やったん?うわ、フィーバーフィーバー絶好調とか言うてる暇やない。うわ、泣きそう。白石が俺の肩を叩いた。

「謙也…。勝ち目ないで」

死にさらせぼけぇぇぇ!!!





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こういう千歳の出しかた。←
ぐだりまっくす新発売的な。←
早く終わらしたい。←




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