ちょっとプレゼント



「みてー」
「何それ」
「カップケーキ」
「くれんの?」
「えっなに一哉、ほしいの?」
「うわ、うっぜーんだけど」
「仕方ないなぁひとつあげるよ」
「えー…」
「文句を言うな原、貰ったものならありがたく受け取っておけばいいだろ」
「古橋何でそんな刺々しいわけ」
「ヒント、それは今日俺たちのクラスの、家庭科の実習で作られたものだ」
「ああなるほどねん、そりゃ残念だったね」
「そうだろう」
「あっ!ザキ!ザキにもあげるよ、甘いもの好きでしょ?はい」
「はっ?何だよこれ、ケーキ?」
「今日実習で作ったの、食べなよ」
「えっ、まじかよ…ありがとうな」
「うーわ、なに照れてんだよザキ、それ古橋以外貰える奴だぜ?」
「照れてねーよ!つか何で古橋…あぁ、悪い」
「同じクラスだとこういう時な」
「え、なに、康次郎もほしいの」
「…ほしい」
「じゃあ私の分あげるよ。その代わり、私も一個くらい食べたいから、康次郎の作った奴一個ちょうだい」
「いいのか!」
「いーよ、はい」
「ありがとう…飾っておく」
「いや食べなよ何言ってんのおかしいよやめて」
「古橋、公認になった途端なんかストレートになったよなー」
「ぶっ」
「…うるさい」
「ザキも見習えばー?純情とかイマドキ流行んねーよ」
「おまっ…な、なななんだよ!バカか!!なぁ、バカなのか!?」
「あっそうか、ザキ好きな人いるんだったよね」
「はっ!?あ、あぁ…おう…」
「山崎、つくづく不憫だなお前は」
「うるせえよ古橋!」
「もーマジなまえウケるんだけど」
「何が?」
「しいていうなら存在と精神?」
「ひどい、私けっこー真面目に生きてるんだけど」
「おい、何してんだ、うるせえ」
「あっ花宮。はい!」
「は?」
「またやってるし」
「あげる!」
「なんだこれ」
「実習で作ったケーキ」
「俺らももらったよん」
「ああ、これだ」
「随分大事そうに持つな康次郎。…ふーん、ケーキね。まぁ見た目は中々綺麗に出来」
「あああ健ちゃあああん!見つけた、はいこれケーキ!食べて!!」
「あ?ああ、おう、ありがとう」
「えへへぇ」
「………」
「…まあ花宮、頑張れよ」
「お前に言われるとイラッとする」
「なんでだよ!?」
「えへへ健ちゃん撫でて」
「あー、はい」
「…ふふふふっ」
「瀬戸好きすぎだろお前」

20140204



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