大富豪



「うっわーまた大富豪は花宮かよー!」
「ふはっ、あたり前だろ」
「あがり」
「富豪は瀬戸か」
「あ、俺もあがりー」
「…残ったのは俺と、山崎か。負ける気がしないな」
「なんだよそりゃ!?」
「うわぁ、古橋のドヤ顔うぜー」
「うざくない」
「ほら古橋、お前の番だ!」
「ああ…ほら見ろ山崎。8切り、エース、5で終了、言った通りだろ、俺の勝ちだ」
「うっわザキだっせぇー!大貧民かよ」
「古橋だって貧民だろーがっ!?」
「俺は大貧民でなければいい」
「まあ富豪と大富豪は決まってるしね最初から、俺だって花宮に勝てると思って参加してないよ」
「んだそれは、まあ俺も負けると思って参加なんてしてないけどな」
「一番うっぜーのあいつらじゃね?」
「まあ同意だ」
「なにしてんの?」
「あ、なまえ」
「うわぁ、でかい男が五人集まって教室の端でトランプって、目立ちすぎ…」
「大富豪やってんだけど、なまえもやる?」
「え、だって健ちゃんと花宮もやるんでしょ?明らかな負け戦じゃん」
「だから残りの三人が平民の座を奪い取るゲームと化していたところだよ」
「健太郎が言うと嫌味だな」
「花宮に言われたくないと思うよ、それ。えーじゃあやっちゃおうかなぁ、暇だし」
「じゃカードきって」
「ザキがやんなよ」
「お前ら、毎度毎度俺のことを召使いか何かだと思ってんじゃねぇの!?」
「大差ないよ」
「なまえてめぇ!はぁぁ、貸せ」
「そんで文句言いながらもやっちゃうのがザキだよね、だから大好き」
「なっ…ば、バカ言ってんじゃねぇ!」
「うわ照れんなよザキきめー」
「照れてねーよ!つかほら、配ったんだから早くやんぜ」
「おー」
「ふはっ、冗談にまで反応してちゃ持たねえだろ」
「冗談じゃ…ないよ?」
「なまえ、それ以上やったらザキ死んじゃうからやめなよ」
「はぁーい」
「うっわ、なんかカード弱いんだけど」
「俺もだ」
「つかお前さ、健太郎の言うこと聞きすぎだよ、ペットかよ」
「大差ないよ」
「自分でいうなよ」
「古橋がスペ3?じゃ次私だね。8切りー」
「いきなりとかバカじゃねえの」
「まあなまえだし仕方「8切りー」
「お前が8持ってたのか」
「贅沢三昧だな、8切り二連って「8切り」
「………」
「からの2、2、2、ジョーカー」
「はぁあ!?」
「そしてハートの3、終了ぉ!!」
「…おいふざけんなよお前おいなまえ」
「ありえんの、それって」
「もはやカードを配ったザキが悪い気がしてきた」
「なんでいちいち矛先が俺に向くんだよ!」
「どーお花宮、なまえに負けた気持ち」
「いや、これは仕方ねえだろ」
「花宮が諦めるレベルっ!?」
「なんか私、自分で自分が怖かった…」
「だろうな」

ずっとなまえのターン。

20140114



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