名前に苗字を合わせる遊び



みょうじ なまえ

「ふぅむ…」
「何してるんだ?」
「うわっ、古橋、びっくりさせないでよ。いやあのね、私のフルネームも飽きたなって」
「ちょっと何を言ってるかわからない」
「17年も見てたら飽きるじゃん」
「飽きないし、むしろまた馴染むまでが大変になる気がするんだけど?」
「一理ある」
「それでなまえは何が言いたいのか、そろそろ本題を」
「結婚したらどんな苗字が合うのかなって考え出したところでした」
「なるほど」
「うん」
「…結婚したいのか?」
「え?まぁ」
「!?」
「いや、いずれね、ゆくゆくは」
「なんだ…」
「まさか、今すぐは無理でしょ!そもそも相手いないからね私、言わせんなこういうことを」
「なまえが勝手に言った」
「うるさいっ」
「古橋」
「ん?」
「古橋なまえ」
「はっ!?」
「書いてみたら」
「あ、うん。びっくりした、新手のプロポーズか何かかと思った…」
「………」

古橋 なまえ

「おーっ、なんか新鮮!」
「なかなか合うな」
「古橋なまえ、古橋なまえ…うん、語感もいい感じ。どうしよう、結婚する?」
「!?」
「いや冗談だから」
「…たちの悪い冗談はやめてくれ」
「そんなに嫌がることあるかなぁ」
「(嫌がってない、逆)」
「あ、他にもやってみようよ、バスケ部の人らとかでー、じゃあまず…」

花宮 なまえ

「花宮なまえ、これなかなかいいね」
「そうだな」
「こんにちは!花宮なまえです!」
「…お前はいつ、俺と同じ苗字を名乗ることになったんだ?」
「あ、花宮。今ね、古橋と私の名前に合う苗字考えて遊んでたとこ」
「遊びに人の苗字使うんじゃねえよバァカ」
「心狭いなぁー」
「短気は損気だ、花宮」
「うるせぇよ。…なんだ、康次郎もやったのか、他には?」
「え?他って、健ちゃん?」
「限定かよ、いや、弘とか一哉も」
「あ、やってない」

瀬戸 なまえ

「やばいフィット!きたこれ!こりゃもう結婚するしか無いわ、やばい!!」
「そうか?」
「そんなこともねぇよみょうじサン」
「その苗字よりずっといい!やばいからちょっと役所行って緑の紙貰ってくるね私」
「婚姻届は茶色だぞ?」
「緑は離婚届だな」
「え、やだ、私離婚したくない!」
「まず結婚してねえだろバカ」
「てへ」
「死ね」

山崎 なまえ

「これもなかなか合わないな」
「あ、ちょっと古橋、勝手に…あ、ほんとだ合わない」
「一番合わねえな」
「山崎なまえ、あ、声に出したらまだよくない?」
「いや、合わねえよ」
「合わない」
「てかあんたらはただザキが嫌いなだけでしょ」

原 なまえ

「うわ、普通の名前っぽい!」
「本当だな、太った婦長とかにいそうだ」
「どんな例えだよ」
「ほんとたまに失礼だわ古橋」
「そうか?」
「でも花宮は毎日失礼だから大したことじゃないと思う。出会い頭に鼻で笑って、そのあと人の肩を肘置きにしながら身長と顔の造形と胸と女子力について貶されるからね」
「なまえ、お前よくマネージャーやめてないな」
「でしょう。褒めて崇めて」
「ああ、毎日ありがとう」
「おい、俺はそんなことしねえよ、身長については無理だとは言ったが、胸はギリギリで成長の可能性はあるってフォローしてるだろ」
「そこだけの問題じゃねーんだよっ、もー!まあ、結論一番合うのはやっぱりみょうじだね」
「「いや、古橋 / 花宮だろ」」
「そこ被っちゃうんだ?」


学生時代は暇になるとこういう遊びをする。
20140126



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