月曜日



「ねー康次郎」
「なんだなまえ」
「月曜日って嫌だね」
「ああ、嫌だな。それがどうした?」
「今日ね、実はあんまり学校に来たくなかったの」
「珍しいな」
「いや、みんなの方が疲れてるのはわかるんだけど、私もさすがにウィンターカップ予選で疲れたというか」
「それはそうだろうな」
「昨日サザエさん観てあ、行きたくない≠チてなったの」
「そういうの、サザエさん症候群というらしいぞ」
「そうなんだ」
「お前ら朝から何話してんだ」
「あ、花宮」
「おはよう花宮」
「ああ、おはよ」
「おはよー!」
「おはよ」
「花宮が朝イチからこっちの教室に来るなんて珍しいな。ザキとか原ならよく来るんだが」
「暇だったんだよ」
「暇かあ」
「なんだよ」
「いや? 普通はみんな月曜日って忙しくてやる気が出ない日のはずなんだけど、それを暇って言っちゃえる花宮ってさすがだなあって」
「それは褒めてんのか貶してんのか」
「褒めてる」
「違う、貶してるだろ」
「花宮、私が嘘なんか吐くと思ってるの?」
「吐きまくりだろ」
「ひどーい!」
「お、なんだよ。朝から花宮までいんのかよ」
「ザキ、一哉、おはよ!」
「あー、おはよ」
「まるで俺がいちゃ悪いみたいな言い方だな、どいつもこいつも」
「んなことねえけどよ」
「けど……なんだ? ん?」
「う……」
「で、お前らはなにしに来たんだよ」
「月曜の朝だしとりあえずなまえの顔見に来ようかなーって……あ、怒る? こういうこと言ったら怒る?」
「別に怒んねーよ」
「……ふふ」
「あ? なに笑ってんだなまえ」
「いや、その……なんか、みんなと話してたら月曜日の憂鬱な気分も晴れた」
「そりゃよかったな」
「うん。あ、ほら、みんな。予鈴なるよ。教室に戻った戻った」
「へいへい」
「なまえ、今日の昼こっちの教室来い」
「へっ!? わ、わかった……」
「じゃあな」
「う、うん……じゃあね」

 こうして昼休みが来たら、花宮と健ちゃんのいる教室で、男バスメンツとお昼ご飯を食べるのでした。
 ちなみに花宮の粋じゃない計らいで

「そういえばなまえさん、僕達付き合ったわけだけど……」

 なんて大声で言って、クラス中、否、学校中の噂になったのでした。



20200329



前へ 次へ