ホラゲー



「うわぁぁなんだこいつ!はこっ…箱から!出てきた奴だろ!こいつ!!」
「マジじゃん」
「動きがキモいな」
「本当だ」
「ぐぅ…」
「がっ、がんばれザキ!負けるなザキ!」
「しかも電気チカチカしてんよ、なんなんだよ!つーかお前邪魔だよ!姉!!捕まってんじゃねぇよ!!」
「ザキは怖くなるとキレるのか、あとあと役に立つかもしれないからメモっておこう」
「役立つか?」
「たぶん立たない」
「つーかザキがキレてない時の方が少なくねー?」
「それもそうだな、メモるのはやめよう」
「あ、瀬戸寝てる」
「退屈なんだろ」
「うわあああっ!!?」
「いやあああっ!!?」
「うるせぇよバカ共」
「お、お雛様…お雛様の首が…」
「なんなんだよ!なんで首が落ちんだよ!?どうなってんだよ!ざけんな!!」
「いやゲームだし」
「ゲームだからってふざけすぎだろ!」
「早く帰んなよこの双子!意味わかんない、なんで早く帰んなかったのさ!?」
「うるせぇ…」
「つーかマジ、怖いならなんでこんなゲームやってんだよ」
「ぷよぷよとか無いのか」
「古橋、お前ぷよぷよとかやんの?」
「ああ」
「マジかよ」
「ちょっ、いやっ、代われ!なまえ、操作代われ!!これマジむずいって!」
「やだよ!なんで時間無くなってから言うのさ!つかパズルくらい出来てよザキのバカ!」
「あああほら、ゲームオーバーだ!」
「私のせいじゃないもん、ザキがバカなだけだもん」
「…なんだよ、パズル?」
「法則に従って雛人形の位置を正しく戻すらしい、花宮は得意じゃないか、こういうのは」
「仕方ねえな任せろ」
「ノリノリだな」
「地味に気になってたんだよ、さっきから」
「早く言ってくれたら渡したのに」
「おいなまえ、貸せ」
「ん」
「なんだこれ、思ったより難しそうだな…」
「なっ?だろ!!」
「だよね?だよね!!」
「…なぁんて、言うワケねえだろバァカ」
「すげえ、はええ!」
「ほら」
「うわぁぁありがとー、もうこのまま花宮がプレイしていいよ」
「やんねーよ」
「じゃあ俺にやらせてくれ」
「古橋は表情変わんないからつまんなくねー?やっぱザキっしょ」
「はぁあ!?またかよ!!?」
「ファイトー」



零 紅い蝶でした。
20140118



前へ 次へ