幼馴染も男子高校生



「健ちゃん」

ある月曜日。
俺の家、俺の部屋にて、なまえと。

「ん?」
「ひまぁ」
「なまえはヒマかもね」
「かまって」
「今ちょっと忙しいんだなこれが」
「ジャンプ読んでるだけじゃん」

胡座をかいてジャンプを読んでいる時のこと、ごろごろと床を転がって暇を持て余していたなまえが、急にかまってちゃんモードを発動してきた。
こうなると相当しつこい。

「これが毎週の楽しみなの」
「私も読む」
「あとでね」
「………」
「……………」
「…健ちゃん」
「ん?」
「健ちゃん」
「何」
「今日の私はかまってちゃんだよ」

知ってるよ。
なんて言う暇も無く、なまえがジャンプと組んだ脚の隙間から顔を出して俺を見上げてくる。
お前は主人に甘える猫か。
これだから俺といる時はペットと飼い主だなんて揶揄されるんだよ…
ていうか、今自分の顔すれすれの場所あるものは何だか分かってんのか?
俺の股間だぞ。
さすがにこれは、よろしくないだろ。

「ジャンプ読めないからやめて」
「邪魔してやるんだから」
「いやほんとやめて」
「やーだ」

前々から思ってはいたことだが、ちょっとなまえは、俺を安全なものだと思い込み過ぎだと思う。
俺だって一介の男子高校生なんだ。

「…なまえ」
「なにー?」
「今、お前の目の前にあんのが何なのか分かってんの」
「えっ?」

一瞬固まったかと思うと、ずりずりと下がって行くなまえ。

「よろしい」
「…変態」

ぜひそのままセリフを返したい。
無意識的な行動なんだろうが、それだからこそよろしくないと言うか。
もう少し意識して行動をした方がいい、とは思う。
幼馴染だからって安全とは限らないんだよ。
なんて。

「まあ、変態だよ」

なまえが思っているより、ずっとね。


瀬戸君とまったりいちゃいちゃするお話 というリク(桐山様)
…いちゃいちゃ?
20140220



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