「花宮ってさぁ…」
「あぁ?」
「まゆげの処理してんの?」
「…いや」
「だよね!?してて麻呂なわけないもんね!よかったぁ」
「いや、何が良かったんだよ」
「そいで提案が」
「つまらねえこと言ったらお前のまゆげ全部剃り落とすぞ」
「花宮のまゆげ整えたい」
「はあ?」
「花宮の、まゆげ、整えたい」
「聞こえてなかったわけじゃねぇよバァカ」
「普通のイケメンになりそう…」
「遠回しにディスってんじゃねえよ」
「直接的にディスってるもん!」
「威張んな死ね」
「むー」
「つかやるなら早くしろよ」
「え、いいの?」
「但し失敗したら一生後悔させてやる」
「おっけー大丈夫!私こう見えても結構器用なんだから!」
「器用なのは知ってるけど、同時にドジなのも知ってんだよ」
「私は知らなかったよそんなの」
「幸せな頭してんな」
「あ、前髪あげるよ。うわ可愛い」
「ふざけた結び方してんじゃねぇよ」
「いくよー」
「マジ失敗すんなよ」
「任せて」
「この上なく不安だ」
「はい次左ね」
「…おう」
「………」
「……………」
「どしたの花宮、それ」
「なまえがやりやがった」
「いや、やりやがったって…ていうかなまえは?」
「部室の外」
「なにしてんの?」
「泣いてたな」
「なんで?」
「辛いとさ」
「おーす」
「あ、ザキ」
「なあ、今外でイケメンがまゆげイケメンがまゆげって呟いてるなまえに会ったんだけど…って、うおっ!?花宮、それどうしたんだよ!」
「なまえにやられた」
「お前まゆげ整えると雰囲気変わんな!」
「うるせえよ」
「(原因はこれじゃないか)」
「あと瀬戸が髪おろしてる時ってだいぶ雰囲気違うよな」
「え?」
「髪型オンオフ切り替わるたびにあいつ騒いでるしな、幸せそうだ」
「まあわかるけどね、そのオールバックはないわ」
「こうしてないと頭まわんねーんだって」
「ま、花宮の眉毛よかマシか」
「お前らバカ纏めて処分する、一列に並べ今すぐに」
まゆげ整えたらたぶん、ただのイケメンになる。
20140116
20140205 修正