夏休み前の終業式



「終業式かー」
「終業式だな」
「でも康次郎とは、夏休みもほぼ毎日一緒なんだよなー」
「部活があるからな」
「飽きるわー…」
「なまえ、お前やっぱり俺のこと嫌いだろう」
「えー、そんなことないよー」
「というか全校集会の並びがお前と隣なのは、やっぱり疑問だな」
「7組の女の子小さいからねぇ、そんで男子はでかいし…康次郎よりでかいのいるとか何」
「いつも見てるだろ」
「この横一列他のクラスの人、皆康次郎より小さいじゃん」
「それは遠回しに俺のことをバカにしているのかな」
「誰も別に花宮がチビなんて言ってないよ」
「花宮も身長のわりには、わりと前の方だよな」
「それで並ぶとここ三人並ぶとか、ほんとギャグでしかないよね」
「なまえが捕らわれた宇宙人になる瞬間だよね」
「な」
「ちょっと何それ、ねえ、今あんたらのせいで私の目の前で、堺ちゃんが盛大に噴き出したんだけど、ねえ」
「ふっ、噴き出してないよ?…ふふ」
「笑ってるよね」
「だ、だって…宇宙人…」
「私の評判落ちたらどうしてくれんの」
「いやだな、元からなまえの評判なんてあって無いようなものじゃないか」
「てか花宮さっきから何猫被ってんの、笑わせようとしてんの?ギャグなの?」
「それは俺も気になっていた」
「うるせーよ」
「戻った」
「戻ったな」
「猫被り気持ち悪いからやめた方がいいよ、いつもの美しいまでのゲスな花宮がいいよ」
「夏休み中の練習、お前だけ毎日二時間早く来て掃除してろ」
「花宮の鬼!畜生!いけず!」
「畜生はお前だバァカ」
「いくら私の足が豚のように太く短いからってその言い方は無いと思うのですが?ですが?え?」
「お前が先に言ったんだろ。あと、被害妄想もいい加減にしろ」
「そうだぞ、なまえの足はさほど太く無いし、特別短いワケじゃないと、少なくとも俺個人はそう思うぞ」
「何そのフォローの仕方!?逆に傷つくわ」
「愛の鞭と飴だ」
「愛!?」
「冗談だ」
「でなきゃ困るよ…てかそろそろ静かにしなきゃ」
「ああ」
「明日から夏休みかぁ、ううん楽しみ」
「明けたらテストだな」
「うわぁ、あれ嫌いなんだよね、休み中さぼってたのバレるから」
「全くもって同感だ」
「花宮に勉強教えてもらわなきゃ」
「健太郎に聞けよ」
「健ちゃんと花宮に教えてもらわなきゃね」
「めんどくせぇ」
「いけず」
「いけず」
「流行ってんのか、それ」
「いや?」
『それでは、静粛に。全校集会を始めますよ』
「…あ、くる」
「校長の話で寝んなよ」
「寝ないよ!」
「静粛にな」
「うう…」

霧崎第一は2学期制。
20140209



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