特徴を言い合うごっこ遊び



「ザキ。はい、純情」
「俺」
「デレデレ」
「やかましい」
「調子乗り」
「お前ら酷くねぇ?」
「酷くねーし、正直に教えてんだからこれを機に改善すべき点を見直せばいいだけの話じゃん」
「お、おう…」
「次ー、康次郎。はい、天然」
「俺」
「ヤンデレ」
「愛が先走ってる」
「目死んでる」
「おい、何度も言うけど俺は別に目が死んでるとかそういったことは」
「あるよ」
「ある」
「…カラーコンタクトでも入れようか、うるうるデカ目とかいうやつ」
「絶対吹き出すからやめて」
「あとヤンデレってなんだ」
「まぁ、病んではないよな、まだ」
「まだって、というか花宮、いつの間に来たんだ」
「たった今。何またバカなことやってんだよ」
「特徴を言い合うごっこ遊び」
「誰の提案だよ」
「なまえ」
「そりゃだよな」
「じゃあ次花宮ね。はい、ゲス」
「俺もやんのかよ」
「ツンデレ」
「外道」
「眉毛」
「たまにバカ」
「お前ら俺のことをそんな風に見てたのか」
「でもちょっとイケメン」
「と見せかけてそうでもない」
「結局否定すんのかよ」
「冗談だよ、少なくとも俺よりはイケてるよ」
「えっ健ちゃんのがイケメンだし!」
「なまえてめぇ」
「花宮の方がモテるよ」
「モテるとイケてるは違うもん」
「どこの瀬戸推しよりこいつが一番盲目だよな」
「ちゃんと見えてるもん」
「なまえのはやったのか?さっきの」
「あ、やってねーわ」
「えーじゃあ私?はいどうぞ!」
「萌え属性」
「アホ」
「おばか」
「犬」
「バカな子ほど可愛い」
「健ちゃんのは何かわかるけど、一哉はそれさっきからツンデレだのヤンデレだの萌え属性だの、何なのさ」
「萌え属性多くない?」
「まあな」
「だからってなまえに萌えてるわけじゃねえけどな」
「まあな」
「そこ肯定しちゃうんだ」
「まあな」
「康次郎さっきから壊れたラジオみたいになってるけど?てかザキ、犬って何、犬って!人間ですらないのか私はっ!」
「えっ、犬っぽいだろ、なあ!?」
「それ俺に振るー?」
「まあわからなくもないな」
「だろ!?」
「お菓子見せると寄ってくるしな」
「そういや一哉、お前よく餌付けしてるよな」
「あー、そういやしてるね、犬だわ」
「犬だよな」
「犬だな」
「もう二度とお菓子貰わないんだから」
「無理だろ」
「無理じゃないもーん」
「いや無理だって」
「大丈夫だもん!」
「無理無理」
「あっなまえ、今朝ファミマで買った季節限定のチョコあるけど食べる?」
「食べる!」
「ほら無理だった」
「…あ」

20140209



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