ポッキーゲーム



「原、ポッキーゲームしよう」
「いいよー」
「いや、よくねぇよ!!」
「なんでザキが言うのさ、保護者か」
「アホなこと言ってたら止めるだろ…」
「じゃあザキ、ポッキーゲームしよう」
「アホか!何がじゃあ、なんだよ」
「えー」
「お前の大好きな瀬戸とすれば?」
「ああ!健ちゃん、ポッキーゲームしよう!?」
「いいよ」
「やったー!」
「いや、今のいいよは遠慮しますって意味」
「うっそー!」
「ほんと」
「う…じゃあ、もう古橋でいいよ…」
「なんで俺は妥協の結果なんだ?」
「つーかそもそもなんでポッキーゲームだよ」
「ポッキーがあるじゃん?食べたいじゃん?普通じゃつまんないじゃん?ポッキーゲームやりたくなるじゃん?そういうこと」
「いや、なんねーよ!!」
「よう」
「ああっ、花宮!」
「なんだよ?」
「タイミング悪いねあいつも」
「まあ、花宮なら断るだろうし何も問題ない」
「ポッキーゲームしよう!」
「ああ」
「ポッキーゲーム!」
「わかったって」
「…え?…あ…まじで?」
「で、肝心のポッキーはあんのかよ」
「え?」
「ポッキー、あんのか」
「え、いやその、ある、にはあるけど…」
「早くしろ、部活始まるだろ」
「あ、う、うん。えっと……うん」
「なあ、断らなかったんだけど?おい古橋、どうなってんの?ねえ」
「おかしいな」
「もうなまえが照れてるってどういうこと」
「トロくせえな、早くしろ」
「や、やっぱやめる!」
「はぁ?」
「わわわ私っ、先に体育館行ってるから!じゃ!」
「行っちゃったよ」
「…なんだったんだ」

実は花宮によるそういう作戦だったとは、誰も知らない。

「お疲れ花宮、うまくいったな」
「ん?ああ」

まぁ瀬戸だけわかってればいいよ。

20140115



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