乳個系分14%



「チョコうまーい」
「よくそんな甘いモン食えるな」
「よくそんな苦いモン食べるね」
「うるせーよ」
「そのままお返ししますー」
「外国産のミルクチョコとか、ほぼ砂糖齧ってるようなもんじゃねえか」
「花宮のそれはほぼ木炭だよ」
「これが本物のチョコだろ」
「いやちがうね、それは炭だね」
「チョコだ」
「ていうかね、外国産ミルクチョコはね、このチープでしつこい甘さが堪らないんだよ」
「練乳でも飲んでろよバァカ」
「カカオ齧ってろバーカ」
「言われなくてもそうする」
「あっ」
「なんだよ」
「ねえ花宮、こっち向いて」
「はあ?」
「目瞑って」
「なんで」
「なんでも」
「…ん」
「うん、じゃ、失礼」
「は?なに目押さえ…やめろ、おい、ちょ口、おいやめっ」
「えい」
「………」
「もういいよ」
「…んだよこれ」
「チューでもされると思った?」
「なわけあるか。つーかちげぇよ、なんだこれ、甘え」
「私のチョコ」
「ざっけんな」
「大真面目ですぅ」
「マジ死ねあああふざけんな、お前もこれ食え」
「え、ちょ、やだっ」
「逃げんな、オラ」
「やっ、目見えな…やだやだぁ!」
「暴れんな!」
「むー!」



「なにあれ」
「微笑ましい食べ比べ」
「どこが微笑ましいんだよ、なまえ襲われてるみたいになってんじゃん」
「そ?」
「…瀬戸、お前ぜってー楽しんでるっしょ」
「そんなことねーよ」


花宮くんにも甘いチョコ食わせてみたい。
20140216



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