1日目
今日は日曜日。
私の通う高校は土曜日まで授業があるから、日曜は貴重な休みの日だ。
それでも朝は寝坊することなく朝早く起きて、私は寝ぼけ眼をこすりながらジャージに着替えてぼさぼさの髪を手早くひとくくりにする。
毎朝6時から1時間のランニング。
この朝のランニングは中学の時から欠かしたことはない。
部活は剣道部だが、剣道を始める前からランニングはかかしたことがなかった。
私はこの日課を始めた日を鮮明に覚えている。
春の、暮れ行く夕日を睨みながら警察になると決めた、あの日。
まだ小学生だった私は体を鍛えるためにランニングを始め、剣道と合気道も習い始めた。
ただ、警察になると決めたからと言って、学校での私の普段の素行がいいかというと、残念ながらそうとは言えないようだ。
高圧的な学校の先生は昔から好きにはなれなかったし、たくさんの人数を押し込めて勉強を詰め込むような場所は私には合わなかった。
先生に反抗することもあったし、授業をさぼったことも数えきれないほどある。
優秀なやつらが多いこの学校で、私はいわゆる問題児って奴なんだと思う。
何度も呼び出しをくらったし、親も呼ばれた。
でも、呼ばれた親が学校に来たことは一度もない。
親の顔が見てみたいってのがうちの担任の私に対する口癖。
まあ、あれだ。子は親に似るってやつ。
うちは放任主義だから、学校や勉強でうるさく言われることはない。
その代わり、自分の責任は自分で取ること。
これだけしっかりと我が家の教訓として幼いころから叩き込まれた。
警察になりたいが、押し込められた環境が合わないというひどい矛盾を抱えた私がここまでなんとかひねくれずに育ってこれたのは偏に親のおかげだと思ってる。
ま、そんなわけで今まで好きなように生きてきたわけだ。
そんな私の日常がひっくり返るまであと少し。
開けた扉から差し込んだ日の光に私はわずかに目を細めた。
[ 1/29 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]