ひとつ


私死んだのか。

ゆらゆら何か揺れているような感覚がする。

何だろう。何か不思議な気分だ。


私はうっすらと目を開けてみる。

あれ?目を開けることができる。

死ぬって不思議だぁ。

ゆっくりあけた視界は全面蒼色だった。

誰かの声がする。

嬉しそうに笑ってるみたい。


ここまでしか意識が持たなかった。

何か暖かいものに包まれてゆられて気持ちが良い。

私は再びゆっくりと目を閉じた。


















永く眠っていた気がする。

突然、パンッと膜が弾けるような音がして急激に意識が浮上した。


「ぅあー?」

あれ?うまく話せない。

「ハハッ!元気な良い子じゃ。可愛い我の子よ」

透き通るような綺麗な声がした。

誰?


うまく動かない体を何とか首だけ動かして声の方を見る。


「ハハハッ!おい、こっちを見たぞ!美しい水龍ぞ」


水龍?何のこと?

ぼんやりとした視界が人影を捕らえた。

なんか綺麗な人だ。
その人が私に両手を差し延べて、ヒョイッと抱き上げた。

うわぁ!本当に綺麗な女の人だ。


「どれ。よう顔を見せてみろ。我の可愛い子」

子…?
私は死んで生まれ変わったのか。
じゃあ、目の前に居る人が私の新しい親…?

でも、私前世の記憶持ったまま産まれちゃってるよ。

あー…なんかいろいろ突っ込みどころ満載だけど、今は何かすごく眠たい…。




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