絵文字


隣で、ガウェインからメールが来た、といって携帯を開いた名前の顔が、クスッと笑ってすぐに緩んだ。あんまりに優しいその笑顔に、凛は嫉妬心を抑えきれない。もちろんガウェインへの嫉妬。

「見てよ凛ちゃん」
「ん?」

見せられたのはメールの文面で、「今日はいつ頃帰ってこられるのですか?」という後に涙を流すような絵文字が。

「ガウェインってば、こんなときばっかり可愛いんだから」

悔しいが今日は負けた。
凛はそんなことを思うのだった。

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