お花見

また春がきて、桜が咲いた。
名前の地元にも桜の名所はあったが、大学生になった今の方が余程お花見という行事には馴染みがある。

「名前さんはビール?」
「うん、なにからなにまでありがとう」

いやいや、とジュース片手に士郎ははにかんだ。
衛宮家の料理の鉄人たちによる豪華な重箱を前には、感謝しすぎてもことたりない。

「クーちゃん!これうまい!」
「おぉマジか。あ、マジだ」
「酒もうまいねぇさすがギル様!」
「ふははは!のめのめ!」

ギルガメッシュとイスカンダルが大量に用意した酒をちびちびと飲みながら、あと一時間で合流する予定のディルムッドに備える名前だった。

「すまない、遅くなった」
「ディルムッドさん!セイバーちゃんからちゃんと死守しときました!」
「ああ名前、ありがとう」

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