一人の年越しを強いられたのは、年末のバイトが足りず仕方なく31日の今日も働いたから。しっかり閉店まで働いたら、実家に帰るのも面倒な時間になってしまった。 なんてとぼとぼ寒空の下を歩いていたとき。 「あ、名前さん!」 「シローくん、どしたの」 どうやら買い出しの帰りらしいママチャリに乗った士郎。買い出しと言っても飲み物ばかりのようすだ。 「なんか人が増えちゃって、飲み物の買い出しを」 「そっかぁ、あ、私も帰っても一人だし、行っても良い?」 「もちろん!というかそうしろよ!ランサーもディルムッドもうちにいるよ」 「行く!!」 寂しい年越しかと思いきや、賑やかなものとなりそうだ。士郎の出汁からしっかりとった年越し蕎麦を食べながらの賑やかな宴会も、悪くないどころか最高である。 |