親友


冬木にくる前の名前と言えば、世界中を飛び回っていたというイメージが話を聞いていた限りあった。しかしよく考えてみたら、小学校まではしっかり地元で過ごしていたわけで。

「ほんとに!?会お会お!」

どうやら幼稚園からの親友がこっちの方に遊びに来るらしい。かれこれ五年以上振りの再会らしく、電話をし始めてからずっとテンションが高い。ガウェインは、自分の知らない名前の過去があることに、少し好奇心が動く。

「うん!待ってる!」

電話を切ってからもニコニコとしている名前を見ているのは、ガウェインにとっても嬉しくなる出来事で。

「あのね、この子は幼稚園から一緒で、魔術とかなんにも関係なくずっと仲良くしてた子なの!」
「そうなのですか」
「今度こっちくるらしいから、機会があれば紹介するね!」
「はい、楽しみです」

―――名前のことをもっと知れると思うと。

ガウェインは、ウキウキとどこを案内しようかと話し出した名前の横でそれを聞いていた。



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