パチパチとはじける紙の先の火玉を、ガウェインは黙って見つめている。なにか思い悩んでいるのだろうか、と後ろ姿から想像したものの、表情を見たらそうでもなさそうだ。 名前もその横にしゃがみこんで、同様に火をつけた。パチパチパチパチと、始めは派手に燃えている。 「これが落ちたら、今日のデザートでも買いに行こうか」 「わかりました」 ニコリと、ただ甘いものが食べたいだけの名前の心情を察したガウェインが微笑む。それにドキッとして、名前の火玉は一番激しく燃えているところで落ちてしまった。 「落ちてしまいましたね」 「・・・ガウェインのせいだー」 「そんなことありませんよ?」 確信犯めいた笑顔のガウェインに、少し体温が上がる。 シューと最後まで燃え尽きたガウェインの線香花火を看取り、2人は立ち上がった。 |