名前のバイト先の本屋には頻繁にライダーがやってくる。衛宮邸でのライダーの部屋が図書館のようになっている半分以上はここで購入されていた。 そして今日もライダーはやってきた。本棚の整理をしていた名前はそれを見つけて、軽く会釈をするとすぐに作業に戻ろうとした。のだが、ライダーがまっすぐこちらに向かってくるので、作業を中断させる。 「名前、」 「こんにちは、ライダーさん。どうかしました?」 「おすすめの本を教えて欲しいのですが」 なにかありますか?とライダー。読もうと思った本は片っ端から読んでいたようだし、そろそろネタが尽きてきたのだろう。 「私の大好きな本、紹介してもいいですか?」 「もちろんです」 珍しくライダーの笑顔が見れたので、名前も満足して自分の一番が置いてある棚へと歩き出した。 |