勉強、とかしてみる<5槍&金>


勉強を看てくれという名前の懇願を受け、久々の部活の休みにランサーが名前の独り暮らしの家に行くと言うので、ギルガメッシュは何も考えずそれについて行った。
ら、机の向かい側にはさながら恋人同士のような体勢で本当に勉強をしている二人を見る羽目になった。ギルガメッシュは確かに今日は名前のゲームをやりにきたが、それすらなんとなくやる気が削がれる。

「あともう一式立てたいんだけど・・・」
「内積とれ、その二つで」
「え、いいの?それで」
「まぁ騙されたと思ってやってみろ」

ランサーは名前を後ろから抱きかかえるようにしてソファーに座り、名前の腹に手を回し、その肩に顎を乗せ、名前の手元を覗き込んでいる。確かに横に座るよりもノートは見やすいだろうが、ギルガメッシュにしたら見せつけられているようで不愉快である。

「クーちゃぁん」
「泣くな泣くな。お前そこの計算間違ってんだよ」
「なにがぁ」
「だから泣くな!あのな、そこの展開で二倍してねぇんだよ阿呆」
「・・・あ、ホントだ」

ピコピコと携帯ゲーム機を操作しながら、目の前の光景を睨む。しかし、当人らは真面目に勉強しているのだ、邪魔をしてはいけない、という真っ当な心理がギルガメッシュに働いた。

「出た!あってる!?」
「・・・おー、あってるあってる」
「よし!クーちゃんお腹空いた」
「ああ、そんな時間か。よし食いに行くか」
「ん!ギル様、何が食べたい?」
「・・・マッ*ク」

ようやくこちらに意識が向いた。思わず頬が緩むが、そんなことはどうでもよいのだ。ギルガメッシュはさっさとセーブをし、立ち上がった。やっとランサーから離れた名前の手を攫って、ギルガメッシュは玄関へさっさと歩いていった。

「よし名前!今日は奢ってやろう!」
「たかが五百円前後じゃねぇか・・・」
「やったぁ!」
「お前も安いなぁ!」
「悔しいか?ランサー」
「どーでもいー」


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