胡蝶しのぶの場合



「……あら、あらあらまぁまぁ!」


 白魚の様な手をお淑やかに口元へ持っていくと、彼女はとても楽しそうに声を上げた。
 私はそんな彼女の姿を見て、無意識にひくりと口元が引き攣る。だって、これは絶対に玩具にされると確信したからだ。


「何かとても可愛らしい事をなされていた様ですねぇ」
「いや、これはその……!」
「あら良いんですよ?その髪型とてもお似合いです、けれど私の髪留めを使われているとは思いもしなかったですけれど」
「あ゙っ」


 その言葉に素早く後頭部に手を伸ばせば、その手をそっと取られる。


「あら……勿体無いので是非そのままでいて下さい、今日は無理ですが後日、同じ様な髪飾りを差しあげますね?」
「えっ!?いっ、いいですいいです!!」
「遠慮しないで下さい、私が見たくて勝手にあげるんですから」


 ふふ、と淑やかに笑った彼女は、私の彼女と同様に出ている髪に指を通す。
 そして彼女は、それとも、と口を開く。

「……苗字さんは私とお揃い、お嫌ですか?」
「っ!」


 蟲柱様の何とも言えない色気に当てられて、首や手をブンブンと振ってそんな事は無いです、有り得ない!と意思表示をすれば、それは良かった!と彼女は手を合わせて鳴らした。

 その後、本当に色違いの髪飾りを渡されたので、時折同じ髪型をする様になった。




結果
蟲柱はおっぱいの付いた、綺麗で可愛いイケメンのお姉さん。
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