「これで少しは、見る目変わった?」


 サラ、と視野いっぱいに広がるのは彼の艶やかな黒髪。そして、私に覆い被さって来ている彼の端正で中性的な顔。
 どうして、こうなったんだっけ……?


「無一郎!」
「っぅわ……!」


 ガバリ、そんな効果音が付きそうな程に勢い良く私は、視界に入った後輩に後ろから飛びついた。すると彼は驚きの声を上げたが、剣道で鍛えている為かバランスは崩さなかった。
 そして、何してるんだと言いたげなジトッとした目でこちらを見やる。


「ちょっと名前、危ないでしょ」
「無一郎なら大丈夫かと思って」
「何その根拠の無い自信……その安易な考えは一体何処から来てるのさ」
「えー?……剣道?」
「馬鹿なの」


 剣道やってるだけで、そんな過度な期待と確信されても普通に困るんだけど。

 はぁ?と言いたげな訝しげな顔と、心底呆れてますといった表情が彼の顔面にありありと浮かんでいた。
 そして大きな溜め息を吐いたかと思えば、私をベリッと剥がして向き直る。


「それにしても、後ろ姿だけでよく間違えなかったね」
「そりゃあ君は本当の弟の様に愛おしい後輩の一人だし、後は何か第六感的な?」
「大多数の、しかも弟……」


 未だにその感外れた事無いよ!と一人ドヤっていれば、とある単語に引っかかった彼が苦虫を噛み潰した様な表情になってしまった。
 えっ、何、嘘でしょ?そんなに私の弟ポジション嫌なの!?あっ、もしかして本当のお兄ちゃん居るから?


「え、えぇ……まさかそんなに嫌がられるとは……まぁ確かに有一郎には適わないけれども」
「えっ、まさかの兄さん基準なの?」
「周り意外に兄の人ばっかりで姉の人居ないからなぁ、誰か参考に聞けるかな……」
「ちょっと。君にそんなの求めてないし、しなくて良いから勝手に話進めないでよ」


 眉を顰めてムスリとした無一郎が、付き合ってられないと言いたげにクルリと身を翻した。そして足早にスタスタと歩いていってしまう、私はそれを慌ててバタバタと後を追った。

 いつもの事ながら彼は私に対して辛辣というか、冷たいというか。
 これが照れ隠しだったらどれだけ可愛いものだろう、しかし現実は厳しいかな。全くそんな素振りは無い、何なら兄の有一郎の方がツンデレなので確率的に高い。
 まぁそうなった場合、鋼の弟ガードが入るんですけどね。多分逆だったら鉄壁の兄ガードが入るだろう。分かっていた事だが、兄弟大好きっ子達め。ほんっと、愛おしい。


 そんな二人に対して私の中に湧いた感情は、可愛い愛でたい、構いたい。そんな、弟達が実際居たら超絶可愛がること間違い無しといった感じで、時透兄弟に構いに行っているのだ。
……まぁ、その片割れの弟には現在進行形で多少ウザがられてはいるんですけれども。兄の方はまだ大丈夫って信じてる、うん。信じたい。

 未だ早歩きで前を行く彼に、軽く走って追い付くと隣に並んだ。


「無一郎が冷たいー」
「僕には兄さんが居るから、別にそういうのは良い」
「ん゙っ……君ら本当に尊いな……」
「はぁ?」


 何言ってんだこいつ、という顔をして訝しげにこちらを見る彼は完全に不審者を見る目だった。
 失礼な!そんな視線寄越す悪い子には、今日の晩御飯お裾分けしてあげないぞ!?


 と、いうのも彼らとは家が隣同士と言う程に近しい訳では無いが、家が比較的近所だ。
 そしてこうやって親しくなってからは互いの家の都合もあり、成り行きは忘れたが夕飯やらをどちらかの家で食べる様な間柄になった。
 なので時折食べられる時透家の味、私大好きになりました。なんなら今度、有一郎にレシピを教わる約束も取り付けた。

 そして何より、意外な事に私の料理もそれなりに二人には評判が良かった。
 だからそうやって精一杯の反撃をすれば、それに嬉しくも多少は揺れてくれた彼の動きや発言が分かりやすく鈍くなる。


「べ、つに、僕には兄さんの美味しいご飯があるし」
「へー、ふーん?そうなんだぁ残念だなぁー、今日はふろふき大根なのになぁー!」
「えっ」


 その発言にとうとうピタッと足を止めた彼は、驚きの表情でこちらを見た。そしてタイミング良く、ピロン!と鳴る彼の携帯。彼がそれを確認すれば、兄からの今日はバイトで遅くなるという連絡だった。それは即ち、今日彼は愛しのお兄さんの料理を食べれないという事。夕飯は自分でやらなければいけないという事を指していた。
 ちなみに、無一郎の料理の腕はからきしである。

 彼はそのメッセージを確認した後、気まずそうにこちらをそろりと見てきた。けれど私はその視線を流す様に見ない振りをして、立ち止まったままの彼を追い越す。

 ほーんと、残念!という言葉を、わざと大きな声で言い残して。


「……ぇ、あ」
「あーあ、今日は一人で寂しくご飯かぁー」
「っま、待って、」
「でもまぁ一人でも?家には出汁の染みた、おいっしいふろふき大根が私を待ってますし?あー楽しみだなぁー!」
「っこの、僕の声聞こえてる癖に……!」
「あーあー!何も聞こえなーい!」


 むぎゅりと自身の耳を両手で軽く塞げば、悔しそうな声が上がった。そして暫くしてから、ポツリと呟く声が聞こえてきた。

 さっきのは本心だから撤回する気は更々無いけど、その……少し冷たくし過ぎたかな、とは思う。……多分。

 唇を少し尖らせて、いかにも不服ですと言いたげな感じだったが彼ら双子に超絶甘い私は秒で許した。
 私は先程の何も聞かない姿勢から、変わり身早くニヨニヨと抑え切れなかった笑みと共に早く帰るべく彼の腕を引いたのだった。


「お邪魔しまーす!」
「ん」


 一度私の家に宣言通り作ってあったふろふき大根を取りに行って、時透家にやってきた。普通ならそのまま私の家でも良いのだが今回は有一郎が帰って来た後に食べられる様に時透家で色々と作る事にした。
 だが無一郎に料理は期待出来ないので、基本的に私がやる事になる。その間無一郎は食器とか、アク取りとか簡単な事をやって貰っている。


 最初まだ親しくなり始めた頃、有一郎が無一郎に料理は出来ないとそれは大層深刻な顔で言っていた。それを見た私は大袈裟過ぎじゃない?と笑ったのだったが、その後に有り得ない位の地獄を見る事になった。

 野菜を切る時のやり方は怖いし、味付けはかなり大雑把、焼き物は基本的に焦がすし、煮物はグズグズに溶けるまで煮詰める。極めつけに、炊飯器の扱いですらこの前まで危うかった。
 そして全てが終わった後のキッキンの惨状といったらもう、目も当てられないし思い出したくない。ぶっちゃけ、私も軽率に無一郎に料理をやらせたから有一郎にこっ酷く叱られた。
 なので、あんな二の舞はもう二度と踏むまいと思っている。

 それでも何もさせないと何も出来ないままなので、少しずつ簡単な作業から任せるようにはしている。ここ最近だと、例えばピーラーを使って皮むきとか。……今も色々とあり過ぎて、ピーラーでも危うかった時期が最早懐かしい。


 そんな大昔を思い出すかの様に遠い目をしていれば、頼んだキャベツを洗い終わって、玉葱の皮剥きとピーラーで人参の皮を剥き終わった無一郎が次は?とこちらを見る。


「あ、じゃあお味噌汁の方のアク取りお願いして良い?取り終わったら味噌溶いてくれる?」
「分かった。……あ、今日は葱と豆腐なんだ」
「ありがと!うん、そうだよー」


 お玉を持った無一郎が鍋に向き合っている間に、私は彼が手伝ってくれた野菜達を一口サイズに切った。
 油をひいて熱したフライパンにまず、一口大に切ってあった豚肉を取り出して入れる。肉にちゃんと火が通ったら次に玉葱、人参、キャベツの順で炒める。そうして全体に火が通ったら、味付けをして軽く炒める。味付けの方は、今回はシンプルに塩コショウで。
 そうしたら、肉野菜炒めの出来上がり!


 出来た出来たー!と一仕事終えてお皿に盛り付けた他の夕飯達も食卓に並べていれば、タイミング良く炊飯器からご飯が炊けた合図が鳴る。これで今日の夕飯の完成だ。
 炊きたてのご飯に、お味噌汁。肉野菜炒めに温めたふろふき大根。それから、時透家に元々あった細々としたお漬物等。
 何の変哲も無い物だけど、自分で作ったというだけで凄いものに見えてくるから達成感というものは不思議というかなんというか。

 年頃の男子には少ないおかずの量かもしれないけれど、その分肉野菜炒めは多めに作ったから大丈夫だとは思う。多分。
 まぁ有一郎の分は別に取っておいてあるし、これで足りなくなっちゃったら別の物を追加で作るなりデザートにアイスやらを食べるなり方法はあるから、いっか!

 いただきます、と二人してパチリと手を合わせて食べ始めた。


「ん、我ながらそれなりに今回も良く出来たなぁ」
「名前が料理出来るのって、毎度の事ながら意外だよね」
「それってどういう意味かな無一郎!?」
「そのまんまの意味だけど」


 それでもモグモグと頬張りながら、文句を言わず食べ続ける彼に私は怒るに怒れない。時透兄弟は思った事は隠さず言うので、不味かったら不味いって正直に言う。
 だから、こうやって何も言わないという事は彼の口に合ったのだろう。これは毎度の事ながら内心、ホッとする。自分だけなら不味くても笑えるだけで全然気にしないんだけどね。

……それに彼らの好物に当たればきちんと好みだと、また食べたいと言ってくれるのだから、作りがいがあるというものだ。
 今だってその証拠に、好物であるふろふき大根をおかわりしに行った位には分かりやすい。


 その後も雑談をしながら夕食を終えて、今はソファに座りながら二人でテレビを見ている。洗い物やらの後片付けは、この一休みの後にやるという感じもいつもの流れだ。
……そういえば、今日ご両親は何時帰って来るのだろうか?そろそろ時間も遅くなって来たし、後片付けをしてお暇しなければ。

 そう思い立ち上がれば、横から不思議そうな声が上がる。


「何処行くの?」
「そろそろ洗い物しようと思って、時間も遅くなってきたから帰らないとだし」
「気にしなくて良いよ、僕の家のだし後で僕がやるから」
「いや無一郎に任せたら泡だらけになったり、食器一つは確実に割るでしょ……」
「……そうだっけ?」
「そうです」


 だからさっさとやっちゃうね、と私は腕まくりをして洗い物に取り掛かった。
 すると何を思ったのか、そのまま彼も立ち上がってテトテトと鳥のヒナの様に私の後ろを着いてきた。そして、真後ろから覗き込む様にジーッと私が作業している所を見てくる。

 その珍しくも居心地の悪さに、何?と彼を見る。


「ただ見てるだけだけど」
「何か居心地悪い……それに見るならまだ横からにして、後ろからだと何か威圧感があってやだ」
「……なら、これならどう?」


 これなら、威圧感は無いでしょ?

 そう言うとまたもや何を思ったかスルりと私のお腹辺りに両手を回して、後ろから抱き締めてきた。
……いや、え?待って待って、ちょっと待って。なんで私は弟の様に思っている後輩に後ろから抱き締められてるの?これ私の記憶が正しいなら、これをやるの普通恋人同士とかじゃない?そうだよね?そうだと誰か言ってほしい。

 そうしている間にも、密着する私の背中と彼の胸板やお腹。それと、何故か彼の片足が私の両足の間に割入って来た事はこの際偶然だと思って一切ツッコまないけれど。
 ダラダラと一人処理しきれない脳内パニックを起こしていれば、ぽふ、と肩に何かが乗る。そして、すぐにその肩に乗った物の正体が嫌でも判明した。


「ねぇ。手が止まってるけど、どうしたの」
「ひっ……!?なん、何で肩に頭を乗せてるの!?」
「え?……楽だから?」
「嘘でしょそんな理由……!?」


 少し考える素振りを見せた後に、彼の口から出た言葉はなんとも曖昧な理由だった。恐ろしい、何とも恐ろしいぞこの後輩。まさか、こんな事を無意識で簡単にやってのけてしまうとは。しかも顔が良いので、威力が倍増しているのがまたタチが悪い。

 これで何も問題が無くなったと思っている後輩は、そのままそこに居座る。それを私は退かすべく肩を動かして、揺すった。
 そうすればそれに伴って、彼からブーイングが上がる。


「あっ、ぅ……ちょっと、何するの」
「君は無問題だと思ってるんだろうけど、大問題だからね?」
「そんなに言うなら何が問題がハッキリ言いなよ」
「そりゃあ私は君の事を弟の様に思ってるけど、君もそれなりの年齢なんだから行動には気を付けないと」


 じゃないと、もし好きな子が出来た時にこんなの見られたら取り返しのつかない誤解されちゃうよ?

 そんな事を言いながら、食器の泡を落とすべく蛇口のレバーを上げた。ジャーッという大きめの音が出ると同時に後ろから何か言われた気がしたが、声が小さすぎて全く聞こえなかった。
 何か言った?と確かめる様に背後に声をかければ、まさかこの距離で聞こえなかったの?と馬鹿にされたので丁度水音が被ったの!と返した。

 するとその台詞を聞いた彼が、なら今度はもう一度ちゃんと聞こえるように言ってあげる、と私の耳元に口を寄せた。


「僕は、名前を姉の様だとは一切思ってないし、好きな相手にしかしてないから大丈夫」
「へ、ぇ…………ん?いやいやいや!好きな子居るなら尚更駄目じゃない!?」
「……はぁ、鈍感」
「っていうか君が私を姉の様だと思ってなくても、私はずっと弟の様に思ってるからね!」


 一方通行悲しいけど!と嘆いていれば、は?と聞こえた地を這う様な低い声。

 エッ、そこまで嫌?と呑気に考えていれば、ニュッと横から出て来た彼の手に勝手に泡だらけの私の手を洗われてタオルで拭かれると、グイッと引っ張られる。えっ、えっ?と訳も分からず困惑して引かれるままになっていれば、唐突にソファに座らされた。
 かと思えば、横からトンっと軽く肩ら辺を押されて呆気なく私は横たわってしまう。そして、その上に何故か覆い被さってくる後輩。傍から見れば、完璧に押し倒されている。


「む、いちろう……?」
「これでもまだ弟の様に見える?こんな事をされても、まだ分からない?」
「えっ、と、」
「こら、目を逸らさないでよ……お姉さん、なんでしょ?」


 無意識に目を逸らしてしまった私の頬に手を添えて、そう言う無一郎。それは今まで弟の様だと思っていた筈の男の子で、可愛い後輩のうちの一人の筈で。
 彼は、こんなにも男性だっただろうか。

 そんな事を考えて何も言えずに固まっていれば、痺れを切らした無一郎がこちらに顔を寄せる。
 えっ!?と焦るが回避する術も無く、ちゅっ、と軽い音を立てて額から頬、首と段々降りていく。首の所で止まると、何度がリップ音が鳴った。かと思えば、強く吸われてチリチリとした痛みが走る。

 顔を離した無一郎がそこを見て、達成感を滲ませながら嬉しそうに微笑む。


「……ん、初めてにしては結構上手く出来たんじゃない?」
「な、何して……!」
「何って……痕付けただけだけど」
「痕って、」


 キスマーク、今度は別の言い方でそう言うと意地の悪い顔でニィッと笑った。それに思わず首筋に手を持っていき、そこを隠す様に手を覆えばパチクリと不思議そうにされる。

 何でこんな事……!と私が言えば、鈍感も行き過ぎると面倒だね、と顔を少し歪めた。


「あのさぁ、君には僕が好きでもない子にこんな事をする様な軽い奴だと思ってるの?」
「そんな事は、思ってないけど……」
「なら、そう思ってくれてるのなら、この現状の意味が君でも分かる筈だよね」
「そ、れは、」
「それと先に言ってくけど僕、諦め悪いから」


 頑なな意思が乗ったその声に、思わず彼の目を見返す。すると彼は、急にそんなに見つめてくるなんて大胆だね?と目を細めた。
 その言葉にハッとしてすぐ目を逸らせば、彼がこれまでの当て付けのように今更、“お姉さん”なのに恥ずかしいの?とコテリと首を傾げてみせる。

 そしてまた耳元に口を寄せてきたかと思えば、吐き出された言葉の色気ったらなかった。


「……お姉さんの癖に、えっち」
「〜〜〜〜っひ、ぇ……!?」
「あは、面白い位に顔真っ赤になったね」


 先程の何処から出したんだと問いたくなる色気を無くして、ケロリと次の瞬間には元の彼に戻っていた。
 情けなくも翻弄されっぱなしの私は、頭が真っ白で何をしようにも残念ながら何も浮かばない。


「これからは手加減もしないし、容赦もしないから覚悟しておいてね」
「えっ」
「絶っ対に、君を振り向かせてやる」


 まるで狩人の様なその瞳に、私は動揺を隠せずには居られなかった。
 だってまさか、人生で自分が面と向かって狙ってるから覚悟しろなんて言われると思ってもみなかったから。しかもそれが後輩で、弟の様に可愛がっていた相手だなんて思いもしなかった。

 満足したのか今日はこれ位で勘弁してあげる、と漸く上から退いてくれた。そして送って行くから支度して、と言うと彼はリビングを出て行った。
 パタン、とリビングの扉が閉められて一人になった瞬間、現実がドッと津波の様に押し寄せて来た。顔がドンドン熱くなってく、心臓の音が早くてしかも煩い。

 ヨロヨロと立ち上がって、漸く帰り支度を終えて玄関に向かえば、そこには既に靴を履いている無一郎が居た。
 彼が一度こちらをチラリと見て確認したかと思えば、ふぅん?と意味深な笑みを浮かべる。


「な、何」
「ううん、別に?さっき今日は勘弁してあげるって言ったからね、これ以上の追撃はしないよ」
「待って本当にどういう意味なの……!」
「そうだなぁ……一つ言うなら家に帰るまでにソレ、治まってると良いね?」


 私の顔を行儀悪くも指さして、心底楽しそうに笑う彼は先に外に出た。私は確かめる様にソレ?と指さされた顔を触れば、まぁ頬が熱いこと熱いこと。
 先程言っていたのはこれか……!と恥ずかしく悔しくなりながらも彼を外で待たせる訳にはいかないので、慌てて靴を履いて外に出た。

 その後は無事に彼に家まで送ってもらい、彼からも自分も家に着いたという、いつも通りの連絡を貰った。
 そう、これはいつも通りの筈なのに。何で通知欄に表示された彼の名前を見るだけで、こんなにも心臓が煩いのだろうか。

 っ勘弁してくれ……!私は、ただ彼を可愛い後輩で弟の様に思っていただけの筈なのに!!






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