「ざ、残夏ぇ」


そう呼びながらボクの服の袖を引っ張るのは渡狸だ。

ボクの部屋のソファーにボクと渡狸。
二人して隣に座っている


「んー?なあに?」


いつものように笑顔で耳を傾ける。
…けど何か言いたげな彼は目を逸らしただ一言。



やっぱなんでもねぇ。



―――いやいや、なんでもないわけないでしょう。…ったく、わかりやすいんだから



「そう?ならいいんだけど…」



平然を装いそれでいて少し冷たくあしらった
渡狸を横目で見てやるとそわそわとした様子で…





構って欲しい…のかな






それくらい素直に言えばいいのに

渡狸は変なときに意地っ張りっていうか・・・
ボクにとってはそれが堪らなく可愛く見えて仕方ないんだけど。

多分そう渡狸に言えば「可愛くない」、なんて顔を赤らめるんだろう

そんな彼も見たいけど
今日は彼自身の口から言わせたい



「構って欲しい」と・・・


そう思ったら無意識のうちに自分は口角をあげていたらしく
渡狸に「何笑ってんだよ」と怪訝に睨まれた


「別に?」


くすくす笑いながら答えれば「なんだよ、言えよ」と拗ねたように唇を尖らせる渡狸。

その可愛い唇に吸い寄せられるように自らの唇を重ねた



「んぅっ?!」



渡狸は目を見開かせ驚いて
口を無理矢理こじ開けて舌を入れると
恥ずかしいのかきゅっ、と勢い良く目を瞑る





可愛いなぁ








クチュ、
舌を絡める音と渡狸の喘ぎ声が部屋に響く


一通り絡めゆっくりと唇を離せば熟れた林檎のような頬の彼がとても愛しく思えて…



「渡狸…構って欲しいんでしょ?」


「なっ……残夏!視やがったなっ?!」


「視てないよ。渡狸わかりやすいから」





くす、と笑ってやると悔しいのか「うぅ・・・っ」と唸りをあげる




「構って欲しいならそう言ってごらん?」

「べ、別にそうじゃな・・・・・・」




恥ずかしいらしく否定をする渡狸。
そんな彼にわざと素っ気ない態度をとってやる



「そう?じゃーもう渡狸構ってやんなーい」

それを聞いた渡狸は冗談かと思って何も言わずに呆れ顔だったけど
ボクがその渡狸の反応をも無視し手元の雑誌をパラパラとめくると
次第に本気にしていってきゅ、とボクの服の袖を掴み消え入りそうな声でそっと。



「か、構って・・・くだ、さい・・・・・・」


「うん、いいよ」

彼がボクを求めてくれたのが嬉しくて・・・
にっこりと頬笑み渡狸の服をゆっくりとたくし上げる




「・・・・・・え、何し・・・っ」



「せっかく可愛い恋人が構って欲しい、って言うんだからその気持ち・・・無駄にしたら勿体無いよね?」




「そういうわけじゃな―・・・ひゃうっ!!!」


彼の胸の突起物を舐めてやるとびく、と肩を跳ねさせる渡狸。
彼が取る行動の1つ1つでさえ、とても可愛くて・・・
僕が優しく微笑むと同時に彼の下着をする、と脱がした。




2012/12/01,

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