「俺はおなまえを愛してる」
言いたいことがありすぎて考えはもう離脱していた。愛しいことだけは確かで。
「見た目なんて。」
言葉の裏には今までのおなまえの姿。
女子に妬まれ、男子からは下心で接される。だから少女は人を遠ざけた。その絶対的な美貌故に。
「見た目もだけど、大好きだよ。冷たくしながらもおなまえは一度も俺の言葉を無視しなかっただろ。」
だから、好きだ。
語尾を強めて訴えかけるのは彼女の変革を求めてるから。見れる世界も変われる。
だけど、おなまえは頷かなかった。
振り返った彼女は信念を貫き通すような輝きと、耐えるような瞳を持っている。
「私は…」
ひとりよ。
唇は悲しくも動きを見せて。
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