真帝国学園は、やってきた雷門中に負けた。二度目となる、鬼道くんによるパパの敗戦。私はモニターの前で淡く笑った。
強くなったね、鬼道くん。でもどうかな?あの薬には、あの‘ジェネシス’には、勝てそうかな?
自爆スイッチを押した潜水艦、否、新帝国学園は今まさに崩れていく。砂でつくった小さな城のようだ。

「おなまえ、」

「パパ。」

鬼道くんと会話をしていたらしいパパがコントロール室へと帰ってきた。私はパパを、ずっと待っていた。

「もう崩れる。お前の役目は終わった。‘エイリア皇帝閣下’の元へ帰りなさい。」

「いいえ、パパ。私はパパと一緒に戦う。エイリア学園で私のすべき事は終わったの。」

だからあの人は私をここへ寄越した。
向こうに居たらそりゃあ大層な研究資料や研究施設に囲まれていられる。けれど私はパパの娘なのだ。被験体の赤い髪の彼だって言っていた。‘親子’だから。

「そうか…」

私とパパは、新たな一歩を踏み出す。

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