あれから…電話を一方的に切られてから、何故だか不安に取り憑かれたように泣いた。
泣いて泣いて、クッションを水浸しにするのではという位泣いて、泣き疲れて寝てしまった。
怖かったのは、確かだ。
また人に捨てられてしまうのか、とか、結局私は不要なのか、とか。逃れられない考えが脳内エンドレスリピート。

「どうして…」

どうして、好きになってしまったんだろう。彼を。…一之瀬を。
好きになったら、必要だと思ってしまったら、その分捨てられた時の悲しさが大きくなるだけなのに。分かってた、筈なのに。
あの女の子は、誰なんだろう。
饒舌な関西弁で彼と話していた。顔も知らない少女。
…きっと彼女は、面白い子で。
だから、私なんか…。
‘あなたなんて見たくない’
忘れていたかったあの人の声が聞こえてきて、私の意識は覚醒した。

TOP


×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -