電話が繋がる事は無かった。
寝付けなくて寝不足ぎみだけど、それよりも不安が拭えない。
「…」
雷門の地下修練場に居た時のような集中した練習の筈が、今の俺は抜け殻のようにただ取り組んでいるだけ。
練習の合間に横目でケータイを見ては、心に重い重りを被せて。
おなまえはどうしてるんだろう。
あの時少女から…リカからケータイを取り返していれば、こんな風に不安にならなかっただろうに。いや、それよりももっと日常的に連絡を取っていれば。
心で渦巻く、不安。
たった一本の電話から始まった、不安。
この気持ちが不安で終わってくれればいいと強く願っていた。
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