「お疲れ様。」

雷門に帰ってきた俺の目の前には、愛しの恋人。
いつもより優しい声色で労りの言葉を掛けてくれる。

「ありがとう。」

おなまえが差し出してくれたスポーツドリンクを受け取った。
辺りは閑散とし、人は残っていない。決勝から帰ってきた雷門イレブンは、思い思いの人たちへと勝利の報告へと別れていったのだ。

「一時はどうなる事かと思ったけど。」

「はは、カッコ悪いとこ見せちゃった。」

夕焼けのグラウンドのベンチ。俺達は並んで上を見上げる。
夜に染まり始めた空は異様な美しさを持っていた。

「俺、これから少しの間アメリカに行かなきゃならないんだ。」

何てことのないように話すけど、実はおなまえと離れることがとてつもなく辛い。だけどそんな弱い所なんておなまえに見せられないから。

「分かった。…また帰ってくるんでしょ?」

「あぁ。」

じゃあさ、とおなまえに顔を掴まれて、無理やりに方向を変えられた。
視界にはおなまえが映る。

「約束ね。」

頬についばむようなキスを受けた。

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