立ち上がった雷門サッカー部。思わず私は大声を出していた。
頑張ってよ、
だが私の‘ちっぽけ’な大声は、他のたくさんの歓声に消える。
それでもいい。彼に伝わらなくても。
相手に手こずりつつ、でも確実に良くなっていく状況。私の頬は緩んでいた。
3対3。
なんとか引き分けに持ち込んだ雷門だが、無情にも残り時間はもう残っていない。
そんな中、一之瀬とキャプテン、更に一之瀬の幼なじみの人(両方共昨日紹介された)が相手ゴールへと驚異のスピードで走っていく。
「お願い…」
祈るように胸の前で手を組んだ。
あと一点。これが決まれば。
私が食い入るように見つめる中で、大きなフェニックスが生まれ、雷門を勝利へと導いた。
「ゴォォォォォォル!!!」
私は、笑っていたと思う。
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