彼女は泣きながら、腕を掴んだ俺の胸を叩く。
「そうやって…私を惑わすの?私、私は…!!」
段々と弱々しく消えてゆく彼女の声。
俺の胸を叩く彼女の力も、弱く、消えてしまうようになってきた。
「嫌、なの。私は…あなたが、嫌。」
「…」
俺が嫌?
こうして彼女に近づくのは、彼女にとって迷惑でしかない?
するりと力が抜けた俺の腕から抜ける彼女。
いつもよりも弱く、だが鋭く睨んだ彼女は駆け足で去ってゆく。
俺は迷惑?近づいてはいけない?
わからなくなる。渦巻く思考に泳がされた。
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