何故ああ言ってしまったのだろう。自分の言葉に後悔を覚えた。
あんまり乗り気ではなかったけれど、サッカー部が練習しているであろうグランドへと足を進める。
そこからは女子の黄色い声がたくさん聞こえ、余計に行く気が失せてきた。

「…」

汗を輝かせながら走る少年たち。中には問題の一之瀬もいる。
それなりに…うぅん、いつものヘラヘラしたイメージからは考えられないぐらい上手なんだ…。
私はサッカーについてよく知らないが、一之瀬は周りの選手を圧倒する速さで抜いてゆく。
一之瀬がゴールを決めた。
観ていた女子たちから大きな声援が上がり、一之瀬がそんな女子たちへと振り返る。お得意のポーズをやってのけ、更なる声援が辺りにこだました。
…私ってば、バカみたい。
こんなことに付き合わされてるの?
一之瀬が私に気付き手を振ったが、私はそれを無視してグランドから去る。
バカバカしい。…本当に。

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