チョッパー
これを貰って書いたマスカイ
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「これは確かに…」
癒されますね、と眉を下げたカイトが笑って。
眺める手のひらには、どこまでも平和そうな顔したトナカイ。
あんまりにもぐったりしてた昼時に貰ったストラップは、ジュースについてた景品らしく。
回復アイテムをやるよと笑んだ同僚にも、スーツの内ポケットから出てきたそれにも。
確かに和ませて頂いた、けれど今のカイト程じゃない。
「欲しいならあげるよ」
「え!」
いいんですか、といつも通り返る大袈裟な反応に笑って。
「ああ、でも代わりにカイトが癒して」
ソファの隣に腰を下ろしたついでの戯言が、思いの他重大に伝わったらしく。
「は、はいっ」
こちらを向いたカイトが妙に気合の入った顔をする。
「俺、あの、がんばります」
「いや…がんばらなくていいよ」
その時点で、なんだかもう、力が抜けてまた笑った。
いつものカイトで充分だ、と撫でた頬が瞬く間にかぁっと染まる。
「あ…えっと…ありがとう、ございます…」
「…どういたしまして」
困った顔して俯いたカイトに俺も困って視線を逸らした。
カイトは、癒されるけど。
そそられるのと紙一重なところが、なんというか…
忍耐力も養われる気がすんな、と苦笑と一緒に色々流して眺めたカイトの手の中で。
相変わらず暢気な顔したトナカイと目が合った。
おわり
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