右か左か
「おい、マスター」

アカイトが現れた。Lv.23
装備、まだ確認できず。

「ちょ、ちょっと待って」

「…じゃあ、いい」

「そんなこと言わずに」

作成してた企画書のキリのいいところまで打ち込んでから。

「…はい、なに?どうぞ」

顔を上げて眺めたアカイトは俺の真横で、握った両の拳を前へ掲げた体勢で待機してた。

「ああ、えっと、どっちがいい?」

装備『不遜な態度』

なに照れてんだ?と笑った途端、拳のひとつが降ってきた。地味に痛い。

「え、そういう選択…?」

「ちがう!あーっもー!おまえが馬鹿なこと言」

「あー分かった俺が悪かった」

ごめん、と仕切り直して左右の拳を見比べてはみるけれど、特になんの違いもない。

「じゃあ…」

こっち、と告げる前に視線を落とした右手の甲がびくりと震えた、ような。

「な、なんだよ…」

「…いや、別に」

選んでるのは俺なのになんでおまえが緊張するんだ。

「…左、でお願いします」

誘導された正解を告げた途端に、微かな安堵の吐息が落ちる。

「ほら、やる」

広げられた掌の、細長い赤い実に思わず笑った。

「疲れたときに辛いものを摂取すると」

疲労回復の効果が云々、と続く解説はどこかから丸暗記してきたんだろうか。

ありがたく頂戴した品を活かせるメニューを思い浮かべる。

「あー炒飯食いたいな…」

「おまえ頭良いな」

「じゃあ満場一致ということで」

手伝う人、と募ってみたけど応募が無かったので。

ハーイ、と無理矢理挙げさせた手を引いてキッチンに向かった。


end
赤版の夢を見ようと二度寝したけど無理だった報告が入ったので^^
書いてみたけどオチが迷子になったあはは
カイト版こちら

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