マスタS
「はぐれたな」
ここぞとばかりに人でごった返した境内で。
「おまえ何を暢気に…」
今頃どっかで泣いてるかもしんないんだぞ!って訴えを、だよなぁと流された。
遠目で見ても目立つ子たちなのに、こうも人が多いと見つけるのも難しい。
「ふたりとも一緒に居ればいいけど…」
「あの子達が離れるわけないって」
大丈夫だよ、とやけにきっぱり断言されると、
それもそうかって気になってくるから不思議だ。
「とりあえず俺、ちょっとあっち見てくるな!」
「おい、落ち着け」
「おまえはもう少し焦れ!」
今頃、わた飴買ってやるとか言って誘拐されてるかもしんないんだぞ!
って訴えを、おまえ面白いな、と感心されて思い出す友人の性格。
「…なんかいい手があるんだな?」
「落ち着く気になった?」
問いを問いで返されて、向けられる笑顔に確信の溜息をついた。
「おまえ…人の狼狽を楽しむその癖どうにかしないと友だち止めるぞ」
「あーそう、じゃあこの話は無かったことに」
「わー待て!」
今までに何度も繰り返してるやり取りに、笑った友人が片手を差し出す。
「携帯、貸せ」
言われるままに手渡した携帯を見送って。
「カイトのコートに俺の入れといたんだよ」
「…俺今おまえが神様に見えた」
呟いた言葉に、胡散臭い笑顔が返った。
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赤マスタの脳内
[おそらくはぐれる]
赤に預ける>はぐれるわけ無いだろとつき返される
青に預ける>責任の余り緊張から落す
赤に黙って預ける>失くされる
青に黙って預ける>鳴るまで気づかない>FA!^^bb
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