おまけのマスカイ
「…っう…く、…ひ、うぅ」

進めた指を拒んだら、震える熱へ口付けて零す雫を吸い上げる。

根気よく、だまして、あやして、はぐらかす繰り返しに、やっと人差し指が中で馴染んだ。

それでも、熱く濡れた体内は違和感を押し出そうと動く。そりゃそうだ、簡単にいく場所じゃない、けど。

「カイト…大丈夫だから息、ゆっくり、…そう」

無理な事をしてるって自覚は、俺だけが持ってればいい。

「あ、あ、…っは、ぅ…」

ホントに何かがとけてしまったんじゃないかって顔して。

素直に頷くカイトの喉が、ひゅっと鳴った。

「あ、あぁ…っ」

瞳の端にぶわりと涙の粒が乗る。ああ、良かった。

「分かる?」

「あ!や、やめ…っ」

奧の指をへそ側に向けてゆっくりとなぞる動きに、初めて否定のことばを聞いた。

与えられる感覚に感情がついていかないもどかしさを、可哀相だとは思う、けど。

「ここ、ちゃんと覚えて」

見つけた弱い部分を増やした指で撫で上げて、潤いの増す先端へ爪を立てた。

「――っひ、…ぅっ」

どっちの刺激が引き金になったか、曖昧に覚えてしまえばいいと。

溢れ落ちる白濁に手を濡らされながら、勝手なことを思う。

くったりと力の抜けた身体へ解す為の指を足すと、柔らかく受け入れる。

「は…ぁ、あ、マ、スタ…っ」

達した直後の刺激にすすり泣くカイトを休ませてやる余裕は無くても。

「そのまま、ちから抜いてて、な」

一度指を抜いて、自分の浴衣の腰紐を解く間、感じた視線に笑い返すことは出来た。

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