マスカイ+赤マスタ
腹黒い腹黒いとは思ってたけど、
我友ながらホントに腹黒いな、と思って。

腕の中でフリーズしてるアカイトにちょっと同情したところで。

これ以上目の毒になる前に帰ろうと和室へ視線を移したら、
何故かカイトもフリーズしてた。え、何でだ。

「…カイト?帰るよ」

「あああ、の…マスター」

よく見ればすごい顔が赤い。

「え、なに、どうした?」

熱?いやまさか、と焦って近寄って、
目前にしゃがみこめば服の袖を握られる。

「あああの、ですね…っ」

「うん?」

「ねっ猫に妬くって言うのは何ゆえに…」

握って、カイトの視線はその手元ばかり見てる。口調もおかしい。

「ああ、聞いてた?」

「あ!あの、いえ、あ、ぅ…すみませ」

「あー違う、別に怒ってるわけじゃ、なくて…えーと」

中腰だった体勢を落ち着けて、掴まれて無い方の手で眼下の髪を撫でた。

「好きだから、以外に理由が無いんだけど…」

呆れた?と笑うと真っ赤な顔を左右に振られる。

「あの、俺、俺も妬きます、だから、あの俺猫拾いません」

だめだ、どうしよう、なんだこの子可愛い過ぎる、と半ば感動の域に達したところで。

「それ以上は自分家でやれ」

頭上からバサッと何かが降ってきた。

「おま、上着投げんな、あー!待て、携帯は待て!」

「お帰りはあちらですよ」

「おまえ…」

慌てたカイトが、すみません、と謝るのを制して。

アカイトはどうした、と聞けば視線が逸れて、弁慶に…と返る。

「…蹴られたのか…」

「仕返しに行くから早く帰って」

嫌な笑顔に、言われなくともと腰を上げて。

自宅でゆっくり続きをすべくカイトの手を引いた。


end
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テーマ「人外ファンタジー」
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