all night all right
時間が無い。
見事なまでに時間が無い。

明日の朝一で提出しないとやばい課題が一向に終らない。

正確にはもう今日、なんだけど。

なんだけど、なんでそんな時に限って。


「…何だこの試練…」

さっきまでうとうとしてたのは知ってたけど。
それはもう大層、かわいかったけど。

カクってなってからハってしてたアカイトに和んでる場合じゃなかった。

その時点で無理やりにでも寝室に連れてくべきだった…

「アカイト、ここで寝んなー」

ずり落ちてる片脚をソファへ拾い上げて、声を掛けても寝息しか返らない。

おまえ、ほんとに、なんで。
今日に限って無防備なんだ…新手の嫌がらせか。

「襲うぞー」

そんな時間、無いんだけど。

強気な瞳が閉じてるだけで、あどけなさの増す寝顔。

眺めるだけでいられるはずもなく、額に掛かる髪を梳くと少し動く眉、甘ったるくぐずる声。

…1時間くらい、なら。
なんとかなる気がする、ような、しないような…あーちくしょー!

ずり上がってるTシャツの裾から既に覗いてる脇腹を指でなぞって、そのまま。

上体で一番弱い位置まで辿る。
遊びたいのは山々だけど、それは次の機会にすることにして。

直ぐ口付けて、緩く歯を当てた途端、無抵抗だった身体がびくりと跳ねた。

「…っ?!」

「…起きた?」

しぱしぱ瞬く寝惚けた瞳、展開について来てないアカイトに微笑んで。

その瞳に、いつもの色が戻って来たのを確認してから、まだ柔い胸の先をゆっくり舐めた。

「っ…な、な、な!?」

がっと掴まれた肩、瞬時に火照った頬と狼狽に溢れた瞳に。

取り合えず…
取り合えず満足しておく、から。

「これ以上されたくなかったら寝室、行けー」

「!!?」

溜息で告げた命令に憤慨したアカイトが、なにやら文句混じりに。

リビングから逃げるのを、はいはいって聞き流していたけど。

「ばーか!へんたい!」

ドアが閉まる瞬間の捨て台詞は逃せず吹いた。

静かになった室内で、先の見えない課題に向かって、直ぐ。

「…なーさっきのもっかい言って!」

後を追う為の腰を上げた。

やっぱり、1時間くらい、何とかなる気が、する!


end
all night all right
貫徹問題無い

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