いらいら!
アカイトの機嫌が悪い。
ソファの背に凭れた後ろ姿でもなんかこう滲み出てるオーラに少し笑って。
今度は何がお気に召さないんだ?と暢気に思った時、不意に。
ピ、と鳴った電子音。
手元から視線を上げて、眺めるエアコンが口を閉じた数秒後。
また電子音。開口。冷風。
さっきからこの繰り返しが耳に入って、ご機嫌の下降に気づいたのだけど。
「…暑いの?寒いの?」
「…消すと暑い、けど点けると寒い」
「なるほど」
振り向いた表情が余りにも予想通りの顰め面だったから。
思わず笑って返してしまうと益々不貞腐れた顔をされる。かわいい。
って言ったらリモコンが飛んできかねないので思うだけにしとく。
「そこ、エアコンの下だからだよ」
こっち来れば、と食卓にぶちまけてた書類を少し整理して。
前の席を指差せば、不機嫌とはまた違った感じでアカイトが眉を顰めた。なんだ?
「…だっておまえ」
「うん」
「仕事、してんだろ」
「…うん?」
ふい、と逸れた横顔を暫し眺めて漸く気づいたことがひとつ。
ご機嫌斜めの原因、俺か…!
そうと分かれば、どう見ても
拗ねてるようにしか見えない後姿に苦笑して。
「もう終わったからいいよ」
「嘘つけ」
こっちに呼ぶのと俺が行くのどっちが早いかなんて、考えるまでも無く席を立った。
end
募マス箱より「少し鈍いというか鈍感」マスターでした。
鈍感×ツンデレの楽しさに目覚めました笑
寄付して下さった貴方様へ捧げます。ありがとうございマスター!^^
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